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第140回 佐藤さんの住宅探し(賃料上昇が続くコンド4)

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは

●現在の賃貸住宅市場では借り手が不動産業者に手数料を支払わなくては見学する物件がかなり限定される

●見学するほとんどの物件がすでに誰かが入居中のため細かく見学ができない

●見学日時が特定されるため多くの物件見学ができない

●限られた見学日時に多くの見学者が訪れるためあっという間に誰かに取られてしまう、ということでした。引き続き不動産業者の山田さんが佐藤さんに説明いたします。

「現在が大変な状況にあることは理解できました。そうするとすぐに入れるコンドミニアムを見つけるのは相当難しそうですね」

「ご説明しましたように、ほとんどの物件が現在誰かが住んでいる部屋ですので、その人達が出て行かないと当然住めないことになります。そのため以前のように1ヶ月以内に入居できるコンドミニアムを見つけることは新築物件以外はほとんどない、というような状況です」

「どのくらい待たなければならないのでしょうか?」


「そうですね、早くて1ヶ月場合によると2-3ヶ月待たないと行けないことになります」

「そうすると11月に家探しをはじめた場合、場合によると入居は1月になるということですね」

「そうですね、そのくらいの余裕は見ておいた方が良いと思います」 

「その他に誰かが入って居る部屋を選ぶ場合の注意点にはどのようなことがあるのでしょうか」

「もともと私どもではなるべく空室のお部屋を選ぶことをお勧めしておりました。これは臭い、きれい/汚い、気持ち良い/気持ち悪いと言った主観的なことが誰かが入居している場合に確認できないためです。たとえば、誰かが住んでいるユニットのベッドシーツをめくってマットレスの状況を確認したり、洗濯中の洗濯機の臭いを確認したり、キッチンシンクや冷蔵庫の中を開けて見る、というようなことが人が住んでいる場合には確認しにくいためです」

「もし引渡を受けてからマットレスに大きなシミがあったり、洗濯機の臭いがひどい場合に家主さんに交換をお願いできるのでしょうか?」

「前にご説明いたしましたように、契約条件はレターオブインテントに全て記載されていないといけませんので、そのような要求を入居した後に行う事はできないと同時に、ほとんどの家主さんは要求があっても断ってきます」

「そうすると確認できないことがあれば事前に家主さんに交換をお願いするということなのでしょうか?」

「そうですね、ただ現在のような完全な貸手市場の場合には、そのような要求はまず通らないか、さらに賃料を上乗せする必要があるでしょう。そのため、不安があるような家具や電化製品については予め撤去して自分で購入するようにお願いするしかないのが現在の状況です」

 

今回のポイント

●現在のように需給動向が逼迫している市場ではすぐに入居できるような物件はあまりない

●入居は2ヶ月くらい先になることを覚悟しておいた方が良い

●入居中の物件を選ぶ場合、特にマットレスや洗濯機、冷蔵庫の中の臭いなどを確認することができないので、心配であれば予め撤去をお願いする

●撤去後は自分で購入やリースすることを覚悟する