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第134回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは

敷金を取り返す方法としては少額訴訟を利用する方法がある
申請の為には経緯を説明した文書と訴える額により手続費用が100-200ドル位かかる
裁判所から召喚状を相手が受け取った段階で相手が妥協して決着することもある
裁判とはいうものの実際は調停のようなもので結果に調停案に強制力はない
次の弁護士を使った訴訟にすすむには費用対効果からするとあまり意味はない

ということでした。

引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんに質問します。

「なるほど、問題があっても裁判で取り返すことができないのですね」と佐藤さん。「取り返すことができない、というより取り返すための費用が回収すべき敷金よりもかかってしまう、ということですが、家主さんに対する効果として面倒なことになるよりは、妥協して返金しようという気にさせる効果はあります」と山田さん。「決着したとして、通常はどのように返金してもらうのでしょうか?」と佐藤さん。「私どもでは先方が返金する、と言ってきたら必ず受取に行きます。よく郵送で小切手をおくるから、あるいは送金で返金するから、と言われますが、本当に送るかどうか、送金するかどうかがわからず、またテナントさんが受け取ったかどうかがわからないので、できる限り小切手ないしは現金で私どもで受取り、お客様に返金するようにしています」と山田さん。「なるほど、送ってこないこともあるのでしょうか?」「そうですね、通常は何度も督促しないと<送った><送った>の繰り返しで確認手続に時間がかかり、場合によってはお客様の会社の総務さんがこのことを忘れて、弊社はすでに受け取られてたと思ってしまうこともあります。その事実が1年後になってわかり、さらに回収が難しくなることがあります」と山田さん。「そうですね、会社の総務さんもそのことばかりやっている訳ではないので、そういうこともあるかもしれませんね」と佐藤さん。「この敷金の回収と同じように、契約を更新するときに賃料が減額され、それに伴って敷金が返金されるようなときも、同じような問題がでます」と山田さん。「その時にはどうするのでしょうか? やはり先方に連絡して小切手を回収するのでしょうか?」と佐藤さん。「もし可能であれば、更新をした最初の月の賃料からその分を減額して支払うのは最も簡単な方法ですが、会社さんによっては手続が大変なので、やはり小切手等で回収するしかないケースもあります」と山田さん。「なるほど、敷金の返金が決まっても回収手続が結構たいへんですね」と佐藤さん。「皆様が家をお決めになる手続と同じかそれ以上に皆様が家を家主さんに返す時の方が難しい問題が多く、実際何が起こるかわからない状況があります。日本のように敷金から差し引いて良い事項の指標が国土交通省から発行されておりますが、当地ではそのような指標もありませんので大変です」

〜 POINT 〜

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敷金回収等の問題を法廷で争うとしても回収すべき金額より訴訟費用が高くつくためあまり意味はない
ただ、そのポーズを示すことで先方から妥協を引き出すこともある
決着して実際の回収は必ず家主側に会って小切手や現金で受け取るようにする
郵送、送金の手続は回収に時間がかかるだけ

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