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第132回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

電気ガス水道の停止は自分で行う
電気ガス水道は家を家主さんに返す翌日に切れるようにする
壁のフック等はできるかぎり撤去する
テープを使用している場合には無理に剥がさずシール剥がしなどを利用する
鍵の数の確認、各ベッドルームの鍵の作動状況の確認を行う
家の返却の手続は場合によると2時間くらいかかることがあるのでその位の余裕をみておく

 

ということでした。

引き続き不動産業者の山田さんが佐藤さんに説明いたします。

「家を返すのも結構大変ですね」と佐藤さん。「私どもでは最初に鍵をお客様にお渡しする際に、かなり詳細に記録をとりますが、それでもご退去の時には記録に漏れているようなことも結構あります。家主さんはいろいろな人種の方がいらっしゃり、それぞれ文化も全く日本人とはことなります。その上家具まであるとその使用状況についても何を言われるか全くわかりません。また、お客様もそれぞれご自身の生活スタイルが基準となっていますので、<普通>に生活していた、ということはその人にとっての<普通>かもしれませんが、家主さんの生活スタイルからすると<普通>とは考えてくれないこともあります」と山田さん。「なるほど、自分でどんなに綺麗に使っていたと思っていても極端にきれい好きの人からすれば不十分かもしれませんね」と佐藤さん。「そのため、いつも退去時の修理費用の見積の決着、敷金の返金を受けるまではなかなか安心できません」と山田さん。「敷金が返ってこない、ということもあるのでしょうか?」「全額返ってこない、ということはめったにはありませんが、やはり1-2%くらいは様々な事情で回収が難しいことがあります」と山田さん。「そのような時はどうすれば良いのでしょうか?」と佐藤さん。「大抵の場合には修理費用の額や差引の項目を巡って話しがつかないため、戻って来ないケースが多いので、まずは粘り強く何度か交渉を重ねて最後はいくらかのディスカウントで双方納得することが先決です」と山田さん。「どのくらいの交渉が必要なのでしょうか? 確か契約書には家を返してから二週間以内に敷金は返金されると書いてあったような気がしますが」と佐藤さん。「契約書には<二週間以内>と書いてありますが、実際には修理費用の額が双方納得していないので、その部分をなおざりにして敷金の返金は実現しませんので、実際にはそれよりも長くかかることが多いようです。ただ、決着したらすぐに小切手を回収して、すぐに口座に入金する必要があります。これも時々ありますが、もらった小切手の家主口座の残高が不足していて現金化できないようなこともあります」と山田さん。「もし修理費用について双方決着しなかったらどうなるのでしょうか?」「その場合には簡易裁判所にて少額訴訟の手続に入る必要があります」と山田さん。

〜 POINT 〜

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家の返却にあたってはどのような問題が発生するかケースバイケースで非常に見通しが立てにくい
シンガポールのように多民族国家の場合<普通>や<常識>という概念が通用しにくい
敷金の返金は家を引き渡してから二週間後と契約書に記載されているが実際はそれ以上かかるケースが多い
敷金返金が決着しない主理由は修繕項目とその見積費用
敷金を小切手で回収したらなるべく早く口座に入金する
どうしても敷金返金について決着しない場合には簡易裁判所で少額訴訟を起こす必要がある

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