シンガポールの住宅・不動産事情
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住宅探し
第40回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○将来物件を家主さんに返却する時のことを考えて家具は大事に手入れをしましょう。
○物件引渡前に落書き等は極力落書き消しで落としましょう。
○カーテンは物件の引渡前にはドライクリーニングに出しておきましょう。
ということでした。
「私が住宅を家主さんから渡された時はあまりきれいでなかったように記憶してますが、清掃などはどうすればよいのでしょうか」と佐藤さん。「こちらの家主さんは物件をころがし目的で買っており、日本の家主さんのように良いテナントさんに良いメンテでその価値が落ちないようにしようとする長期保有目的とは異なります。最初の清掃も自分のメードにやらせただけの状態でお客様に引渡をすることが多く、日本人一般の考える徹底的な清掃にはなかなかならず、棚の中や冷蔵庫の中の清掃が十分でないことがあります。一方でテナントさんが十分な清掃を行っていないと再度清掃が必要であるとして、敷金から差引きを求められることがあります。このため、清掃についてのトラブルを避けるためには、最初にちょっと汚かったとしても、返すときには清掃業者さんに清掃を依頼した方が無難でしょう」と山田さん。「なんか割り切れない感じがしますね」と佐藤さん。「そうですね。清掃業者さんに依頼されると1300スクエアフィート位の3ベッドですと、大体300ドルから350ドルくらいかかります。しかし、清掃しないで返却した場合に、家主さんの言い値で敷金から差し引かれることがありますので、場合によってはこの金額以上になることもあります」と山田さん。「自分でする訳にはいかないのですか」と佐藤さん。「当然ご自身で清掃することも可能です。その場合には特に水回り、キッチン回り、調理台周辺、換気扇の中、冷蔵庫の中、ユーティリティエリアをきれいにしておくことが必要です」と山田さん。「他にはどのような点に注意したら良いのでしょうか」と佐藤さん。「電気ガス水道は物件引渡の翌日に切れるように手配する必要があります」と山田さん。「もう引越が終わっているのに、もう一日のばす必要はなぜですか」と佐藤さん。「家主さんは物件の状態だけでなく、エアコンや電化製品がちゃんと動くかどうかの確認もします。そのため、もし電気や水道が止まっていると、それぞれの電化製品の稼働状況が確認できないことを理由に、問題箇所の特定ができないとして、敷金の返却を約束できないと主張します」と山田さん。「電話はどうなんでしょう」と佐藤さん「電話は通常家主さんより提供を受けませんので、かなり早い段階でカットしても大丈夫です。しかし、時々電話局の手違いでカットされた電話がまだつながっていたということが起こりますので、電話をカットした後はなるべく本当にカットされているかどうかを確認するため、一度カットした電話にかけてみた方が良いでしょう」と山田さん。
○最初にあまりきれいでなかったからといって清掃しないで物件を返すと敷金の差引きが多くなることがある。
○自分で清掃する場合には水回りやキッチン回りを徹底的に清掃する。
○電気、都市ガス、水道は物件返却の翌日に切れるようにする。
○電話は前もって切っておいても問題はない。