シンガポールの住宅・不動産事情
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プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第39回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○3月-6月は異動のピークのため賃料が上がりやすい。
○家主が複数の不動産業者をつかっているため、物件の留保、確保が難しい。
○気に入った物件がある場合には早めにオファーする。
ということでした。
お客様の佐藤さんが不動産業者の山田さんに物件返却にあたっての注意点について教えてもらっています。「普通につかっていた時の汚れがもめるということですが、どういうことでしょう」と佐藤さん。「多いのがソファーをめぐってのトラブルです。お客様が自分の持ち物でないからといってあまりメンテナンスをしないことにあります。革張りのソファーなどは水ぶきをすると革の表面がいたみますので、専用のクリームで拭く必要があります。このようなメンテをしないために、傷み方がはやく家主から買ってまだ何年もしないのになぜここまで傷むのかと言われることになります。また、安いソファーの場合、時々ソファーの脚が折れることがあります。テナントさんとしては、安物だから普通に使っていて折れたと言われるのに対して、家主さんはお子さんがソファーの上で跳ねたから壊れたのだろうと主張して折り合いが困難なケースもあります」と山田さん。「そのような場合どのように解決したら良いのでしょうか」と佐藤さん。「このような場合、家主がいくら新品の時の値段を主張しても、その金額を払う必要はないと思われます。つまり、賃貸借期間中は家賃の一部として、それらの家具の使用料も含まれていますから、経過年数を考慮した金額が妥当であると思われます」と山田さん。「どういう風に金額を計算するのでしょうか」と佐藤さん。「例えば、ソファーの新品の値段が1500ドルだったとします。通常家具の減価償却は大体5年位が相当ですから、1年分当り300ドルとなります。もしその住宅に3年居住していた場合、3年相当分は900ドルになりますので、ソファーの残存価値は600ドルくらいと想定できます。ですので、いくらテナントさんに明らかな問題、あるいは使用ミスがあったとしても、家主さんがソファーについて要求できる金額は600ドルが上限となると推定されます」と佐藤さん。
○将来物件を家主さんに返却する時のことを考えて家具は大事に手入れをしましょう。
○物件引渡前に落書き等は極力落書き消しで落としましょう。
○カーテンは物件の引渡前にはドライクリーニングに出しておきましょう。