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第33回 佐藤さんの住宅探

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

○上下階の水漏れは解決に時間がかかる。

○家主さんもしくは家主さんの代理人がいかに早く動いてくれるかが早期問題解決のきめて。

○但し、上下階の家主さんの協力がないと解決にに時間がかかる。

○水漏れを放置するとテナントの管理義務違反となり費用負担が発生することがある。

ということでした。

「エアコンの水漏れがシンガポールではポピュラーな問題であること、給水管が銅でできているため、腐食による水漏れが起こること、窓のサッシからも水漏れが起こることなどよくわかりました。まだこれ以外に水漏れの原因があるんでしょうか」と佐藤さん。「壁や場合によっては床からの水漏れが壁に埋め込まれている給水管からなのか、上層階の浴室の床の防水加工が十分でないために発生しているのか、あるいは排水口周辺部からの水漏れなのか、外壁からのものであるのか、これらのファクターを一つずつ確認をしていかなくてはなりません。そのため、浴室の天井からの水漏れの場合、水が漏れている箇所を特定できれば処理は簡単ですが、天井内の周辺のコンクリートから水が染み出してくることによる水漏れは解決が容易ではありません」と不動産業者の山田さん。「そんなときはどうするんでしょうか」と佐藤さん。「その場合にはまず上層階の浴室の水を止めて数日から1-2週間様子を見なくてはなりません。そうしないと天井内の水が乾いてくるかどうかの確認ができないからです。もし、止めている間に雨が多い場合、全然乾燥してこなければ外壁からの水漏れの可能性が高くなります。しかし、乾燥した場合でも雨が全然降らない場合には特定が難しくなります」「そうすると、その間上の階の人はバスルームが使えないことになりますね」と佐藤さん。「現在のようなコンドミニアムの構造ではやむを得ません。逆のことが起こりうることをご説明して上の階の方にご協力いただかなければなりません。バスルームの床の水漏れを確認する方法としてはブルーウォーターチェックという方法もあり、床に色のついた水をまいて、しばらくして下の天井裏のコンクリートに色が付くかどうかの確認を行い床の防水加工の状態を調べる方法もあります。この方法でも水は少しづつ染みていくために、数日状態を見なくてはなりません。このように、浴室の天井あるいはその近辺からの水漏れで、水漏れ箇所が特定できない場合には解決に数週間から数ヶ月かかることもあります」と山田さん。「バスルームが使用できないからと言う理由で契約は解約できるんでしょうか。契約書には家主はテナントに対して快適にその住戸にすむことができるように保証する義務があるように書いてあったと思いますが」と佐藤さん。「そうです。家主はテナントに対してその物件を平穏無事に占有できるようにする義務があります。問題はバスルームが一箇所使用不能になったことがテナントの平穏無事な占有を妨げているかどうかということです。残念ながら賃貸住宅についてこの事例が裁判所で争われたことはありませんが、バスルームが一箇所使用不能になり、家主がその解決に努力している場合には契約解約をするのは難しいとされているようです」と山田さん。

ポイント

○浴室の天井からの水漏れは原因がはっきりしない場合には解決に数週間から数ヶ月かかることがある。
○水漏れを解決するためにバスルームが長期間使用できないケースでも契約を解約する理由とならないこともある。