シンガポールの住宅・不動産事情
PRO
プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第32回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○修理業者をアレンジしてもらうときには、修理業者の名前、連絡先をなるべく控えるようにする。
○コンドミニアムでも窓や外壁などから水漏れが起こることがある。
○特に丸い形をした窓のサッシから水漏れは起こりやすい。
○修理等の対応は法人家主等家主さんと直接連絡ができるケースの方がスムーズ。
ということでした。
水漏れについて不動産業者の山田さんの説明がつづきます。「日本ではマンションの水漏れはめったに起こりません。これは給排水管をそのユニットの床下で処理しており、水漏れが起こった場合にはそのユニットで最初に発見しやすく、すぐにそのユニットの中で処理ができるからです。シンガポールではまず給水管が銅でできており、しかも壁の中に埋め込みになっているケースがほとんどです。そのため、メイド部屋や使わないトイレなどがあると、その給水管の中の水が滞留し、銅の腐食を促進し、管にヒビが入り水漏れの原因となります」「そうすると、そのユニットで水漏れが起こっていても、そこに住んでいる人は気がつかないわけですね」と佐藤さん。「そうです。下に住んでいる人が修理業者を呼んではじめて、上層階からの水漏れだということがわかります」と山田さん。「このような水漏れは申し上げましたように、古いコンドで起こりやすい問題ですが、5年-7年位のものでも、その給水を長い間使用しないと起こることもありますので、注意が必要です」と山田さん。「上下階で水漏れの問題が起こったときはどのようにすればいいんでしょうか」と佐藤さん。「上下階での問題は借りている家主さんだけの問題ではなく、上の階の所有者の了解が修理に必要になります。もし、上の階の人が同じようなテナントさんで、家主さんが海外に在住している人の場合はその了解をとるのが大変で、時間もかかります。ときどきありますが、もし、上の階の家主さんも下の階の家主さんも海外に住んでいる人となると、修理作業がなかなか進まずに、水漏れしている下の階のテナントさんがいつまでも漏れている状態、もしくは修理が進まない状態のままで、上の階のテナントさんは一部のバスルームやキッチンが使えない状態になるということも起こり、かなりやっかいな問題になります」と山田さん。「その修理をする時の費用負担はどうなるのですか」と佐藤さん。「基本的には家主さんが負担しますが、中には住んでいるテナントが水漏れを長期間放置したとして、テナントに責任を転嫁しようとするようケースがあります。費用は基本的には上の階と下の階で折半とすることが多いようですが、下の補修と上の補修を上下階の間にあるスラブ(床)を境目に、その費用負担を決めることもあります」と山田さん。
○上下階の水漏れは解決に時間がかかる。
○家主さんもしくは家主さんの代理人がいかに早く動いてくれるかが早期問題解決のきめて。
○但し、上下階の家主さんの協力がないと解決にに時間がかかる。
○水漏れを放置するとテナントの管理義務違反となり費用負担が発生することがある。