シンガポールの住宅・不動産事情
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住宅探し
第130回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
◉ 中途解約条項が適用できない時に会社契約であれば同じ会社の人に住んでもらうことができる
◉ 個人契約の場合、替わりの人に住んでもらうことについてはその旨契約書に明記する必要がある
◉ 家主宛の全ての通知は基本的に受取証明付書留で送付する
◉ 替わりに入居した人は前の人の契約条項を全て引き続き、基本的にその契約期間満了まで居住しなくてはいけない
◉ ときどき入居者変更については家主の同意が必要になるときがある
ということでした。
今回は佐藤さんが家を家主さんに返却する際の注意点について不動産業者の山田さんに尋ねます。
「そろそろ異動のタイミングなので、人の入替があり家を家主さんに返さなくてはなりませんが、この際の注意点を教えてくれますでしょうか」と佐藤さん。「まず第一に大抵期間満了による退去ではなく、前回ご説明したような転勤による中途解約、ということになりますので、その通知をすぐに行うことです」と山田さん。「前回のお話しでは2ヶ月前予告とのことですので、実際には3月末の退去であっても予告期限までの賃料は支払わなくてはならない、ということですね」と佐藤さん。「おっしゃる通りです。今まで時々お客様から退去日までの賃料支払いで勘弁してほしいとの、ご依頼をいただいたことがありますが、成功した事例はほとんどないので通知期限までの賃料支払いが必要になる、とお考えください」と山田さん。「了解いたしました。他に何か家を家主さんに返す際の注意点はありますでしょうか?」と佐藤さん。「皆様がご入居される際に日本ほどではありませんが、とりあえず家主側により専門業者による清掃、及びカーテンのドライクリーニングが行われてから家が引き渡しされていると思います」「そうですね、でも日本と比べて全然綺麗でなく、自分でもう一度清掃する人が多いと聞いていますが」と佐藤さん。「日本ですと3DK位のマンションでも清掃費用は7-9万円くらい(シンガポールドルで1000ドル位)かかりますが、こちらの3ベッド、約120平方メートル位でも清掃費用は500ドル、と日本の半分の費用です。このように安かろう悪かろう、といった状態ですので、家を家主さんに返す時もこの程度で良いと思います」と山田さん。「そうすると自分で清掃してもよいということでしょうか?」と佐藤さん。「いえいえ、契約書では時々<専門業者による清掃>と明記されていますので、ご自身での清掃は十分でなく、家を返すさいに清掃業者の領収書の提示を求められます」「カーテンのドライクリーニングはどうでしょうか?カーテンがないとちょっと困るのですが」と佐藤さん。「原則論からすると鍵を返す時に原状復帰が行われていないといけない、ということですので鍵の引渡前にカーテンのドライクリーニングが終了している必要があります。ただ、ご指摘のようにちょっと生活に支障がでますので、鍵の引渡時にカーテンをドライクリーニングに出す場合には家主の事前了解が必要となります」
〜 POINT 〜
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◉ 転勤がきまったらすぐに家主にディプロマティッククローズのレターを出す(詳細は前回までの連載をご参考)
◉ 家を家主さんに返却する場合、一般的には専門業者による清掃が必要
◉ 自分で清掃すると清掃漏れ等により鍵の返却が上手くいかなくなることもある
◉ カーテンのドライクリーニングを家の返却時に出す場合には家主の了解が必要
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