シンガポールの住宅・不動産事情
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住宅探し
第20回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○レターオブインテントは家主さんの署名を確認して、予約金を払わないと有効にならない。
○物件選定後は、日本人学校へのバスの席について空席確認と最終的な利用確認の連絡を必ず行う。
ということでした。
「これでようやく決まりということですね」と佐藤さん。「いやいやこれから契約書を作成し、締結しなくてはなりません」と不動産業者の山田さん。「まだ注意しなくてはいけないことがあるんですか」と佐藤さん。「最初の頃に御説明しましたように、レターオブインテントには通常SUBJECT TO CONTRACTという文言が入っています。これは契約書が最終的なものであるということを示すもので、この文言が入っている場合には契約書を締結しなくては法的に強く相手をしばることはできません」「そうすると、レターオブインテントに署名して、家主さんにお金を払ってもまだ安心できないということですか」と山田さん。「いやいや、実際には家主さんがお金を受け取って、承諾の署名をしていれば、実務上その物件は確保できたと考えることはできます。でも、最終的にはやはり契約書に双方署名しなくては確定したとはいえません。時々、引越を急ぐあまり、契約書を署名せずに物件の引渡を行うこともみられますが、これはかなり危険な賭けであるといえます」「そうすると、家の引渡を受ける前には必ず契約書を取り交わさないといけないということですね」と佐藤さん。「そうです。契約書がない状態で家の引渡を行うと、何か問題があったときにそれを取り決める文書がないことないなり、発生した問題を解決できなくなってしまいます」「家賃とか敷金の支払の手順はどうなるのでしょうか」「レターオブインテントの時に支払ったお金は敷金の一部に充当されます。その後の支払は契約書を取り交わす際に、家主側が残りの敷金と最初の月の家賃の支払を求めてくることが多いようです。これはテナントさんの賃借にあたってのいろいろなリクエストを家主さんが用意をしないといけないので、お金が必要になるからです」「そうすると家主さんは引渡前には全て用意をしてくれるのですね」と佐藤さん。「一般的にはそうですが、ほとんどの家主が個人でちゃんとしたビジネス感覚を持っているとはかぎません。そのため用意ができてい時を想定して、御家族のお引っ越しと家の引渡日はなるべくずらしておいた方が得策です。お客様にはとりあえず、御主人がお一人で住んで、少なくとも2-3週間後に御家族のお引っ越しを御予定された方が、家の癖や周辺の状況、どこに行けば何が買えるといったようなことを少なくとも御主人がわかっているので、安心です。」
○契約書が最終的なもので、家の引渡前には必ず契約書に双方が署名している必要がある。
○家の引渡時に最後の前家賃を支払うことが望ましいが、引渡前に残額を要求されることが結構ある。
○御家族の引越は家の引渡と同時には行わない。