シンガポールの住宅・不動産事情
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プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第16回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○住宅の賃貸は2年の場合原則14ケ月分の賃料は支払わなくてはなりません。
○但し、その他の条件交渉とともに、この期間を短くすることも可能です。
○この条項を使う場合は事前に書面で書留め(レジスターメール)で家主さんに通知をしなくてはなりません。
○この条項を使う場合、家主さんは転勤の証拠(エンプロイメントパス、ビザの取消の証拠)を求めてくることがあります。
今回はエアコンの保守点検についての義務について山田さんが説明します。
「転勤があった場合にだけ契約を解約できるということはわかりました。後はエアコンのメンテと小修繕についても注意が必要とのことでしたが、どういうことでしょうか」と佐藤さん。「シンガポールで最も修理が多いのがエアコンです。使用頻度が日本と比べて格段に高いため、定期点検・メンテが必要になります」と山田さん。「メンテをしないとどういうことが起こるのですか」と山田さん。「メンテをしないと冷えが悪くなる、水漏れがしやすくなるといったことが起こります。そのため、シンガポールでは家主さんかテナントさんのいずれかがこのエアコンのメンテの義務を負うことになります。ここで注意しなくてはいけないのは、この定期点検を家主さんの義務とした場合には、定期点検の頻度を確認するとともに、どの業者にその点検を頼んでいるのかを確認した方が良いでしょう。といいますのは、点検の頻度を明示しない時に、家主側が修理が必要になるまでその点検をせず、いざ修理をしようとしたときにはエアコンが完全に壊れていて、修理完了まで何日もエアコンなしの状況がつづく可能性があります。また、点検修理のスケジュールの打合せにその度に家主さんに連絡をすることは煩雑で、連絡ミスが起こりやすいので、直接点検業者と連絡がとれるような状態にしておいた方が無難です。直接連絡できればいざという時にすぐに対応が可能になるというメリットもあります。但し、修理が必要な時は必ずエアコン業者に家主さんの確認と同意をとってもらってからでなければ修理はできません。あくまでも業者にお金を払っているのは家主さんですので、家主さんの同意がなければ修理はできないことを覚えておいてください」と山田さん。
○エアコンの定期点検は必ず必要。
○その点検契約費用は家主かテナントのいずれかが負担する。
○点検の頻度を明確にしておいた方が良い。
○家主が費用を負担する場合でもエアコン業者の連絡先を必ず控えておく。
○修理が必要な時はテナントが負担すべき少額修理費用を超える場合には家主の同意をとってからでないと全額テナント負担とされる時がある。