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第13回 佐藤さんの住宅探

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

○UBUJECT TO CONTRACTの文言がないレターオブインテントは契約書と同等の法的拘束力を持つ。

○レターオブインテントの内容はなるべく詳細なものが将来のトラブルを避ける意味で望ましい。

ということでした。

 。「このレターオブインテントで特に日本人のお客様の皆さまが気にされるのが家具です」と山田さん。「ご案内の最初の頃にお話いたしましたように、住宅の賃貸は必要最低限な家具が揃っているフルファーニシュか、一部の家具(カーテン、照明、エアコン、冷蔵庫、洗濯機)しか揃っていないパーシャリーファーニシュのどちらかが多いようです。日本人の方は基本的に家具付きをご希望されますからフルファーニシュということで家主さんにリクエストを出すことになります」「私が選んだ住宅は家具があまり入っていませんでしたし、ちょっと使い古した家具が多かったような気がするんですが」と佐藤さん。「ご心配なく。この家具のリクエストも私たちの重要な仕事です。私どもでは家具が不足している場合はなるべく、お客様がご自身で家具を選ぶことができるように家主さんに家具購入の予算を貰うようにしています。といいますのも、家具はかなり趣味の問題であるということと、家具の質によってかなり値段が違ってきますので、家主さんまかせにすると、時として引き渡された時に予想と全然違う家具が入ってくることもあり、トラブルのもとになるからです」と山田さん。「自分で家具を選べない時もあるんですか」と佐藤さん。「時々家主さんがなるべく賃貸の経費を安くしようと考えている時には購入の予算がかなり低かったり、家主さんの知人で家具を扱っている人がいるような時など、お客様の好みの家具が選びにくいような時もあります。このような時は家具の質がさほど良くなくてもその物件を選びたいかどうかというご判断をお客様にお願いしなくてはなりません」「家具を家主さんが買う前に写真なんかで確認はできないのですか」と佐藤さん。「よくそのようなお話を伺いますが、あまりおすすめはできません。といいますのは、もし家主さんがなるべく家具購入を安くしようと考えていて、お客様が質の良いもの、趣味の良いものを取りそろえてもらいたいと考えているときに、双方が合意できるケースはまれで、話がつかないままどんどん引渡日が近づいて、結局物件引渡日に家具が全然揃わなくて入居自体ができなくなるということも考えられます。そうなるともう大変です。家主さんは約束通りの賃料起算を求めてきますし、お客様は入居できる状況ではないことを理由に賃料支払を拒否し、入居前から双方険悪なムードの中から賃貸借が始まることになります。このようなことを避ける為にも、家具についての家主さんの対応によってはその住宅をあきらめて第二候補にするくらいの余裕が必要です」

ポイント

○家具を揃えてもらう時にはなるべく購入の予算をもらうようにする。
○家具を自分で選べない時は家具の質が問題になることがある。