シンガポールの住宅・不動産事情
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住宅探し
第12回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○良い賃貸条件を引きだすためには複数候補物件を持つことが必要。
○レターオブインテントは契約の要旨。
○物件を予約する為には賃料の1ケ月相当分の予約金が必要。
○予約金を払った場合のキャンセルは難しい、ということでした。
もしSUBUJECT TO CONTRACTという文言がレターオブインテントの中に入っていないとどういうことになるのですか」と佐藤さん。「その文言が入っていないとそのレターオブインテントが契約書と同等の効力を発効することになり、途中で気が変ったからといって契約条件など絶対に変更ができなくなります」「そうするとレターオブインテントが契約書ということになるのですね」「そのとおりです。一方SUBJECT TO CONTRACTという文言がある場合には必ず契約書を締結しなくてはいけなくなります。特に更新のときなどは簡単に済ませようとしても、この文言がある場合には契約書を締結する必要があることに注意して下さい」「レターオブインテントは契約の要旨と山田さんはおっしゃいましたが、その他にはどんなことを書かないといけないのですか」と佐藤さん。「レターオブインテントの内容を規制する法律はありません。あくまでも当事者間で合意されたことを確認するものですので、内容がかなり簡単なものから弊社で使っているようにかなり細かく書かれているものまでいろいろあります。弊社では後で言った言わないのトラブルを避けるためにかなり詳細に記述しています。絶対に記載されていなくてはならない内容は物件の所在、家主の名前・連絡先、賃借人の名前・住所、居住者の名前、契約期間、賃料、敷金及び主要契約条件があります。この主要契約条件の書き方が不動産業者によってかなりラフなものから詳細なものまであります。ちなみに弊社では賃料に家具・共益費・駐車場使用料・GSTが含まれているかどうか、引渡日と賃料起算日が同じかどうか、毎月の賃料の支払方法、契約延長の可否、中途解約の可否と条件、電気ガス水道などの光熱費の負担、テレビ/ラジオライセンスの負担、エアコンの保守点検の負担、小修繕費用の扱い、ケーブルテレビの扱い、印紙税の負担、契約準備にかかわる弁護士費用の負担、付属家具一覧、その他清掃、壁の塗り替え等の条件、契約までの必要費用の支払スケジュールといった内容になっています」「結構決めなくてはいけないことが多いのですね。」と佐藤さん。「ご心配無く。実際には書面でお送りして内容をご確認いただいてから交渉にはいりますので、ドラフトができあがりましたらご連絡いたします」と山田さん。
○SUBUJECT TO CONTRACTの文言がないレターオブインテントは契約書と同等の法的拘束力を持つ。
○レターオブインテントの内容はなるべく詳細なものが将来のトラブルを避ける意味で望ましい。