シンガポールの住宅・不動産事情
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プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第8回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○家主さんはほとんどが投資家で、日本の家主/店子といった関係は通用しない。
○物件売買後も賃貸借契約は有効。
○連絡は書面で行う。
○新家主への支払いは弁護士の書面による連絡に従う、ということでした。
「ところで家主さんはどういう人なんですか?」と佐藤さん。「今回のように家主さんのエージェントしか物件見学にきていないケースが結構あります。このような場合には我々テナントさん側のエージェントは家主さんの情報があまり与えられません。つまり、家主さんのエージェントは自分の情報を他の人に教えると、その家主さんに直接コンタクトされ自分が取引からはじき出されてしまうことを極端に恐れて、あまり詳細を教えてくれないのです」「なるほど。だから今回のように待ち合わせ場所がユニットではなくて、ロビーなのですね」と佐藤さん。「そうです。時々住み替えのお客様からブロック番号や部屋番号を聞かれることもありますが、家主さんのエージェントは電話では絶対に部屋番号を教えてくれません。そのため、見学のその時まで我々テナントさん側のエージェントもそのユニットがどこなのかを知らされません」「そんな時はどうやって家主さんの氏素性を調べるのですか」と佐藤さん。「まず見学のときに、今日のように家主さんのエージェントが来ている時に、どんな人が家主さんなのかを確認します。でも、家主さんも複数エージェントを使っていて、全部のエージェントが家主さんのことを良く知っているとは限りません。そのような場合は我々もお手上げです。後は賃貸条件を交渉する過程でどうような人かを見極めることが我々の仕事となります。特にオーチャード界隈のコンドミニアムの半分以上が外国人によって保有されています」「シンガポール人家主さんと外国人家主さんとでなにか違いがあるのですか」と佐藤さん。「修理の必要がでてくることが結構ありますが、日本のように勝手に修理をすると、家主さんが本来負担しなくてはならない費用まで、連絡がなかったとしてその負担を拒否することが結構あります。この修理費用負担の問題が関係しているので、どうしてもすぐにというような場合にはテナントさんで全額負担のご覚悟をなさっていただいた上でないと、修理が終わってからその修理費用をどちらが払う払わないの問題に必ずなります」
○オーチャド界隈のコンドミニアムの家主さんは外国人が多い。
○家主さんのエージェントは家主さんの情報をあまり教えたがらない。
○さらに家主さんのエージェントでもあまり家主さんのことを知らないことがある。
○修理、特に高額な修理は必ず家主さんの了解が必要になる。