シンガポールの住宅・不動産事情
PRO
プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第5回 佐藤さんの住宅探し
3ベッドルームを探している佐藤さん。前回は不動産仲介業者の山田さんより浴室についての注意点を聞きました。
ポイントは、
○給湯器の容量は十分でないことが多い
○水だけのウォシュレットは設置可能(便器の形状による)
○電気温水器のスイッチは寝る前に必ず消すということでした。
「もうひとつ風呂場について注意することがあります。」と山田さん。「ここのバスタブの排水口を見て下さい。ここの栓はホテルによくあるようにバスタブの縁についているまるいこの部分を左右に回してバスタブの栓を上げたり、下げたりするようになっています。この部分は基本的に壊れると考えて下さい。よく上がったら上がったきり、あるいは下がったら下がったままということがおこり、何度直してもすぐ壊れてしまいます」「それではどうすればいいんですか」と佐藤さん。「一番簡単な方法はこの栓を最初からはずして、日本でつかわれているような鎖のついているゴムのキャップを買って使うことが一番簡単です。このゴムのキャップはスーパーマーケットで安く売られていますが、買いに行く前に大きさをはかってから買いに言ったほうが良いでしょう」「どうして最初からゴムキャップを使わないのですか。」と佐藤さん。「よくわかりませんが、シンガポールのコンドミニアムは全体としてデザイン重視であまり使う人やその後のメンテのことを考えて作ってはいません。たとえばここもそうですが、トイレットペーパーの位置がからだをかなりひねらないと届かないようなところにつけてあったりします」「なかなか説明を聞かないとここまでは、見ただけではわからないものですね」「そうですね。もう一つシンガポールで必ずと言ってよいほど皆さんが遭遇されるトラブルは水漏れです」「え、コンクリートでできているマンションに水漏れなんか起こるんですか」と佐藤さん。「水漏れにはいろいろな原因がありますが、一番ポピュラーな水漏れはエアコンからの水漏れです」と山田さん。「日本の場合エアコンの室内機はすぐに外部に接続されていて室外機との距離が短く設置されているのがほとんどです。冷房のときには除湿も同時に行うため、除湿した水を排水する必要があります。日本の場合、排水のルートが短く、室内機からすぐ室外に排水できるような仕組みができています。シンガポールの場合、室内機と室外機の距離が長く、勾配の少ない天井裏でこのエアコンの配水管を設置しています。このためこの配水管が途中つまって、排水できずにエアコンの室内機に逆流して水漏れをおこすという事態になります。このような事態の招かないためには頻繁にエアコンの配水管(ドレーン管といいます)を掃除する必要があります。このエアコンメンテナンスについては、賃貸借契約書の中に必ず家主かテナントのいずれかがメンテについて責任を持たなければならないようになっています。もしテナントで責任をもたなくてはならないような場合、定期点検契約書と点検をした記録を全部とっておく必要があります。もし記録がないと将来家主に物件を引き渡すときに定期点検をしてなかったとみなされて、敷金からエアコンのオーバーホールの費用を差し引かれるおそれがありますから注意してください。」
○バスタブの栓は壊れやすいのでゴムキャップに替える。
○エアコン定期点検に注意。