シンガポールの住宅・不動産事情
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プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第4回 佐藤さんの住宅探し
3ベッドルームを探している佐藤さん。
前回のポイントは、
○コンドミニアムの床材は直接コンクリートスラブに貼り付けてあるため上下階の音は伝わりやすい。
○キッチンの換気扇は油こしの機能のみで排気をしないのがほとんど。
○ゴミは住戸内のダスターシュートから捨てられ、分別は必要ない、ということでした。
今回は浴室について山田さんが説明します。
「シンガポールでは給湯設備のほとんどが電気温水器で、お湯を使う前15分から20分位前にスイッチをいれてから利用します。電気温水器は浴室の天井裏に設置されています。日本やアメリカなど冬場に大量のお湯を使う場合、温水器は戸外に近いところの専用の設置場所に設置されています。また、どうもシンガポールの人達はシャワーだけで生活する傾向があるためか、バスタブは普通の大きさがあるのに、電気温水器の容量はその設置場所が天井裏ということもあって、バスタブをためるのに十分な給湯能力がないケースがほとんどです」と山田さん。「そうするとどうやってバスタブを使うのですか?」と佐藤さん。「電気温水器のお湯を一旦水で薄めずに全部出して、次のお湯が温水器で沸き上がったころに最初に出したお湯に水を足して入れば、シャワーとバスタブの両方を使ってはいることができます」「結構面倒ですね。電気温水器をもっと大きなものに替えることはできないのですか」と佐藤さん。「交渉によってできないことはないですが、設置場所が物理的に限られていることと、結構交換の費用が高いためにいやがる家主さんが多いのは事実です。また、お引っ越しまでの日が限られている場合にはスケジュール的に間に合わないこともありえます。また、シンガポールでは水の供給をマレーシアから受けているために、節水の運動がさかんですので、郷に入れば郷に従えのことわざで生活された方が無難でしょう」「先程スイッチの話をされてましたが、それはどこにあるのですか」「大抵スイッチはバスルームの入り口に赤いランプがつくように設置されています。これはシンガポールでは電圧が高いため、水を使用する浴室の中には原則として電気のコンセントを設けないようにして、直接分電盤に接続されているからです。そのため、日本でポピュラーなウォシュレットも電気を使うものは設置に高額な工事費がかかってしまいます。最近水圧で動くウォシュレットが発売されていますので、それが良いでしょう。但し、便座の形、種類によって設置できないものもありますので、専門の業者さんに確認する必要があります」「そのスイッチはずっとつけておいていいんですか」と佐藤さん。「夜寝る前には必ず消してからお休みになってください。そうしないと、いつもお湯が沸いた状態で、電気温水器の故障の原因になって、家主さんがテナントさんの不注意ということで修理費を負担してくれないこともあります」
○給湯器の容量は十分でないことが多い。
○水だけのウォシュレットは設置可能(便器による)。
○電気温水器のスイッチは寝る前に必ず消す。