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シンガポールの住宅・不動産事情

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第1回 佐藤さんの住宅探し①

シンガポールに転勤が決まった佐藤さん。転勤前に出張のついでに住宅探しをしようと、駐在の先輩に相談することに。「鈴木さんはどうやって家を探したんですか」「僕はいろんな人に話を聞いて評判のいい不動産業者を紹介してもらって、そこに家を紹介してもらったんだ」「業者を通じてでないと家を見つけられないんですか」「そんなことはないけど、人種や文化が違う国で契約する訳だから、誰か詳しい人にアドバイスしてもらう方がいいと思うよ」

ポイント

○賃貸契約も法律に基づくものですから、経験豊富な不動産業者などの意見を参考にした方が良いでしょう。
○文化や不動産取引のしくみが日本とは違いますので、契約書類は自分でしっかり内容を把握しましょう。
○特に日本人学校や塾については日本の不動産業者でないと事情が良くわからないことが多いので、その点にも注意が必要です。

 

佐藤さんは鈴木さんから紹介された不動産業者の山田さんに早速電話してみました。「家を探しているんですが」「どんな物件ですか」「妻と子供が2人いますから3LDKで、便利な場所がいいですね」「では3ベッドルームで、オーチャードに便利な所をお探しいたしましょうか」「家賃が高くありませんか」「他の場所に比べると割高になりますね。家賃は立地のほか、広さや築年数、規模やプールなどの設備によっても違ってきます。ただ、私どもでは築後7-8年以上経っている古い物件はあまりお勧めしておりません。日本では10年くらい経ったものでも大丈夫ですけれど、シンガポールは気候や建築方法などが違うため傷み方が激しく、イメージとしては日本の倍くらいのスピードで傷むようです。そのため、築後7-8年以上の物件はいろいろ問題が出てくる可能性が高いんです。一方、できたばかりの物件も状態が落ち着くのに半年から1年くらいかかります。また、工事が完全に終わっていなくても入居が可能なため、入居後も工事の人が出入りしたりして、工事騒音・振動が結構あります。ですから、お子様が生まれたばかりの方やご出産を控えている方などは、できたばかりの物件は避けたほうが無難でしょう」と山田さん。「できてから2・3年位のものが良いということですか」「一般的にそれくらいのものが、落ち着いてきた物件です。また、7-8年前後より新しい物件であれば、状態によっては問題ないでしょう」「そうするとできてから2-3年のもので、オーチャードの近所ですとどのくらいの賃料なのでしょうか」と佐藤さん。「3ベッドルームで新しい物件になると8000ドルから9000ドル位します」「そんなに高いのですか!」と佐藤さん。「3年位前から不動産市場はバブル的に売買金額が上昇し、そのころと比べると70%位、場合によっては100%上昇しているケースもあります」と山田さん。「私の予算は4000ドル位ですので、どのあたりで探せば良いのでしょうか」と佐藤さん。(次号へつづく)《ポイント》○築7-8年以上の物件は注意して選びましょう○新築の物件も完全ではなく落ち着くのにしばらく時間がかかる○2-3年前と比べると現在の住宅賃料は70%位上昇している