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第126回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

少額訴訟は通常請求の未払いにつて利用されるが敷金の回収にも有効な手段
問題が発生してから1年以内の案件に限る
1件あたりの額は1万シンガポールドル
◉ 手続費用は1件当たり100シンガポールドル
◉ 簡単な状況のレポートが必要

 

ということでした。

引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんのお話を聞きます。

「この少額訴訟は敷金回収のために有効なのでしょうか?」と佐藤さん。「まず裁判所から呼び出しがかかることで、家主さん側はちょっとびっくりして、裁判などせずに早く決着しようとします」と山田さん。「なるほど、裁判になるといろいろ面倒だと思うのですね」と佐藤さん。「そうです、そのためまずこの通知が届いた時点で懸案事項が一気に解決して敷金の回収ができる、ということです」「それでも、その通知を無視したらどうなるのですか?」「少額訴訟裁判所は再度その通知を出すことになり、この通知を無視すると次の本当の裁判になった場合に少額訴訟の請求者に相当有利になります」と山田さん。「その通知に応じて裁判所に先方が来た場合にはどうなるのでしょうか?」と佐藤さん。「少額訴訟といっても、実際の裁判ではなく、仲裁人とそれぞれの代表者の3人で話し合うことになります」と山田さん。「なるほど、仲裁人がそれぞれの言い分を聞いて判断してくれるのですね」と佐藤さん。「申し上げましたように、これは裁判ではなくあくまでも仲裁ですので、この決定に法的拘束力はありません」と山田さん。「そうするともしこの仲裁人の言う事を聞かずにそのままにしたら次は本当の裁判で争うことになるのですね」と佐藤さん。「そうですね、もし裁判になるようですと、この仲裁の結果も裁判に反映されることになり、もし2回の呼び出しに全く応じなかった場合は、裁判では訴えを起こした側に有利に働きます」と山田さん。「実際に裁判になるのでしょうか?」と佐藤さん。「敷金2ヶ月分がどのくらいの金額かによりますが、通常正式な訴訟を準備するだけで数万ドルかかりますので、なかなか裁判にはなりにくいのが現状です」と山田さん。「そうすると、借りている側が相当不利ですね」「そうですね、滅多にありませんが貸し手側が最初から裁判にはならないと高をくくって、全く返却しないつもりでいる場合には回収は相当難しいと思われます。しかし一般的にはこのような家主さんはあまりいないので、この少額訴訟のどこかのタイミングで決着することが多いようです」と山田さん。「なるほど、最後に敷金をきちんと回収してくれるかどうか、というところまで考えると家主さんがどのような人かということが相当重要ですね」と佐藤さん。「後はなるべく家主さんともめないように、家を返却する時のことを考えて日常の手入れをきちんとすることだと思います」

〜 POINT 〜

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敷金が返金されない場合には少額訴訟の手続をとることも有効
この少額訴訟のための裁判所から呼び出しがあった段階で敷金回収ができることがある
少額訴訟は仲裁裁定のため法的拘束力はない
本当に裁判になった時には訴えを起こした側に有利に働く
◉ 但し、実際には敷金の額に比べて訴訟費用の方が高いのでなかなか裁判にはなりにくい
◉ そこまで考えると基本的にはどのような人が家主であるかを確認して住宅を決める
◉ 後は家を返却する時に家主さんとなるべくもめないように注意して住宅を使用する

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