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第124回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

◉ 家を家主さん側に返す場合には損害をはっきりさせるために書面を作成する
◉ 自分が納得しない損害部分についてははっきりとその部分は認めない旨記録に残す
◉ 家の返却に家主さんが立ち会わず、家主さんの不動産業者さんしか来ない場合に家主さん自身があとで追加損害を言ってきた場合には調整に時間がかかる

ということでした。

引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんに家を家主さんに返す際の注意点を聞きます。

「なるほど、家を家主さんに返すのも結構たいへんなんですね」「みなさまは大抵家を家主さんに返したらすぐ帰国する方が多いので、なかなか家を返却する際のトラブルが共有されません。またご帰国されて全然別な部署にご配属になるとなおのこと連絡がとりにくくなります」と山田さん。「そうですね、できれば帰国した人にその際に何か問題になったかどうかを聞いておいた方が良いですね」と佐藤さん。「もしできればご帰国後、業務で何かその方に連絡をとる際に、確認しておいていただくと良いかもしれません。これまでいろいろな注意点をご説明してきたのは、この家を返却する際にできる限りスムーズにできるように、という視点からご説明しておりますので、よろしくお願いいたします」と山田さん。「よくわかりました。ところで家を返却した後敷金はいつ頃返して貰えるようなものでしょうか」と佐藤さん。「通常契約書には鍵を返却してから2週間以内、と記載されているのが通例です。しかし実際には鍵を返却してからいろいろ不具合があり、その不具合を修繕するための見積をとって、さらにその見積についてテナントさん(借主)の了解をとってからでないと敷金の返還ができません。もしその家主の見積に納得がいかないことがあれば、さらにそこで交渉があり、それから敷金の返還となりますので、通例2週間ではなかなか返還されないのが実態です」と山田さん。「なるほど、私の場合には会社が敷金を払ってくれていますが、もし個人で支払っている場合は大変ですね」と佐藤さん。「おっしゃる通りです。また支払いの段になると<郵送した>とか<振込をした>とかいろいろ言い訳を言う方が多いので、できれば敷金の返還の用意ができたら誰かに受取に行かせた方がより確実だと思います」と佐藤さん。「もし家主がなかなか返還してこなければどうすれば良いのでしょうか?」「ときどきあるお話しですが、その際には少額訴訟の手続をお勧めしております」と山田さん。「それはどのようなものでしょうか?」と佐藤さん。「これは敷金が返却されるべきタイミングから1年以内に、少額訴訟裁判所(small claim court)に申し立てをおこない、先方を裁判所に呼び出してもらって、裁判所に調停を依頼する方法です」と山田さん。

 

〜 POINT 〜

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◉ もし機会があれば既に帰国した人に家を返却する際のトラブルの確認をしてみる
◉ 敷金は契約書上家を返却してから2週間以内に返還することになっているが、修理費用等の額を巡って交渉になることが多く、実際にはそれ以降の返還となる
◉ 返還金額が確定したらなるべく小切手を直接取りにいくようにする
◉ 敷金がなかなか返還されない場合には少額訴訟手続が有効

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