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第123回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

電気水道ガスの解約は返却の翌日に切れるようにする。​
解約の手続は返却の1ヶ月以内くらいに行う

銀行口座をすぐ閉鎖したい場合にはSPの窓口で対応可能

ケーブルテレビのチューナ、リモコン、アンテナ線は返却必要だがインターネットのルーターは返却の必要はない。

インベントリーリストのものは必ず残して置く

その他マニュアル、ベッドルームの鍵、エアコンのリモコンの数と稼働状況の確認が必要

 

ということでした。

引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんに家を家主さんに返す際の注意点を聞きます。

「お互い納得すれば鍵を返せばそれでおしまい、ということですね」と佐藤さん。「いえいえ、やはりどのような問題があり、あるいは無かったとしてもその旨きちんと記録をとることが必要です」と佐藤さん。「どのような記録をとれば良いのでしょうか?」と山田さん。「家を返却した日付け、敷金から引かれる、あるいは家主さんに支払わなくてはならない事項、この記録以降家主さんは追加で損害を請求しないこと、などを盛り込んだ文書に家主さんと住んでいた人が署名して記録としなくてはなりません」「それは私どもの不動産業者の山田さんが作って用意してくれるのですね」と佐藤さん。「そうです、家主さんの業者さんが作ったものでも内容が同じであればそちらを利用しても問題有りません」と山田さん。「家主さんや家主さんの業者さんが指摘した修理事項で私が納得したものであれば良いのですが、もし納得できない場合にはどうすれば良いのでしょうか?」と佐藤さん。「その場合には、記録にはっきりと自分はその損害に同意していない、ということを残さなくてはなりません」と山田さん。「もしそのように同意しない場合に、家主さんや家主さんの業者さんが前に山田さんがおっしゃっていたように鍵の受取を拒否することはないのでしょうか?」と佐藤さん。「そうならないように、その事項には同意しないが、最終的に全体の費用をみてから決める、というようにすることが必要です。ポイントは単に後で決める、ペンディングにする、というような表現をとるともし後ほど訴訟など法的アクションを取らなくてはならなくなった時に半ばその損害を認めたようになり不利になります」と山田さん。「なるほど、難しいですね、怒らず、口論せず、先方に鍵を返すことを第一に考えながら、一方でいくつかの家主さんや家主さん側の不動産業者さんが指摘したことを認めない、ということですね」と佐藤さん。「そのとおりです」「もし家主さんが来なくて家主さん側の不動産業者さんだけしかこなくて、後で家主さんがいろいろ文句を言ってきたらどうすれば良いのでしょうか?」と佐藤さん。「それが一番難しい問題で、家主さんの業者さんが家主さんと代理人として来ているのですが、家主さんが後から自分自身が署名していないことを理由に追加で損害請求をしてくることは実務上時々有り、その場合には結構調整が長引くことがあります」と山田さん。

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家を家主さん側に返す場合には損害をはっきりさせるために書面を作成する
自分が納得しない損害部分についてははっきりとその部分は認めない旨記録に残す
○家の返却に家主さんが立ち会わず、家主さんの不動産業者さんしか来ない場合に家主さん自身があとで追加損害を言ってきた場合には調整に時間がかかる