シンガポールの住宅・不動産事情
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住宅探し
第121回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○家関係の書類は引き出しの場所を決めて1カ所で全て保存する。
○特にエアコンメンテの記録は絶対に捨てずに保存する(修理記録も同様)。
○各ベッドルームの鍵がちゃんと動くかどうかは最初に確認しておく。
○メイド部屋、トイレのプラスティックの扉は壊れやすいので最初によく確認しておく。
ということでした。
引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんに住宅を家主さんに返却する際の注意点を訊きます。
「その他によく問題になることはどのようなことでしょうか?」と佐藤さん。「基本的にはキズ、シミの類いが問題になります。最初に私どもでしみ、キズがあると記録をしていてもあきらかに新たにできたものについては責任を問われます」と山田さん。「どのようなことでしょうか?」「木の床の新しいキズは色が白いのですぐにわかります。また、カーテンなどペンマークやレースのカーテンに空いた穴などは記録がなければ最悪新しいカーテンを作る費用を要求されます」と山田さん。「大体それぞれどのくらいの費用になるのでしょうか」と佐藤さん。「清掃やカーテンの費用は年々物価上昇に合わせて上がってきています。現在通常の3ベッドルームの清掃ですと大体500ドル位、カーテンは重さで見積もるケースが多いのですが、普通のそれほど重くないカーテンですと大体300-400ドル位、といった感じです。もし木の床の磨きを要求された場合は部屋の大きさによりますが、多分一部屋当たり300-400ドル、大理石の磨き直しの場合は1000-1300ドル位かかります。家の壁全部の塗り直しでやはり1000ドル位でしょう」と山田さん。「そうすると清掃、カーテンドライクリーニング、3部屋の木の床全体の磨きなおし、大理石の磨き直し、壁の塗り直しで4400ドルが最大の負担ということでしょうか?」と佐藤さん。「この全部がやり直しというような事は通常滅多に起こることではありません。ただ、この部分以外の電化製品の破損や修理などが入って来ることもありますので、家の手入れが苦手な人などはこの位の金額がかかることもある一方、通常は清掃、カーテンドライクリーニングで900ドル、これに気づかなかった修理箇所などが入ってきて合計1500ドル位で納まるケースがほとんどで、2000ドルを超えるような場合は、余程かラフに住宅を使用して手入れをしなかったケース(修理補修が多い)か、家主さんの見積方法などに問題がある(意図的に金額を大きくしている)ケースかのいずれかということになります」と山田さん。「この家を返す時にいろいろ言われて納得ができなかった場合にはどうすれば良いのでしょうか?」「絶対にしてはならないことは家主さんや家主さんの代理人と口論をして、先方が怒って鍵を受け取らずに帰ってしまうことです。この場合は家主さんが原状復帰がなされていない、とされ引き続き賃料支払いの義務が残ってしまいます。そのため、納得がいかないアイテムをきちんと記録し、とりあえず鍵を返して、金額は後日改めて交渉するという方法をとります」
○清掃大体500ドル位、カーテンは300-400ドル位、木の床の磨き一部屋当たり300-400ドル、大理石の磨き直しの場合は1000-1300ドル位、家の壁全部の塗り直しで1000ドル。
○一般的には清掃、カーテンドライクリーニングを入れて1000-1500ドル位の費用が退去時に請求される(なにもない場合はカーテンドライクリーニングと清掃費用のみ)。
○鍵の返却を行わないと賃料の継続支払義務が発生 。
○そのため家の返却時は先方と口論等険悪な状況にしてはならない(相手が怒って鍵を受け取らず帰るようなことはしてはならない)。