シンガポールの住宅・不動産事情
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プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第120回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○窓の鍵、各ベッドルームの鍵、ワードローブにある引き出しの鍵がちゃんと作動するかどうかを確認。
○スライディングドアの鍵や洗面の栓など直してもすぐに壊れそうなものは修理をせずに記録事項とする。
○電化製品は使わないと壊れる。壊れた場合<使っていない>ということは免責にならない。
○使用しない場合には使用しないので壊れても責任を取らない、など事前に条件に入れておくことがベター。
○使わない、あるいはすぐに壊れることがわかっているものは撤去もしくはdispensable itemとしてインベントリーリストに記載。
ということでした。
不動産業者の山田さんが引き続きお客さんである佐藤さんに説明します。
「入居の際の注意点はよくわかりました。これらは退去時にもめないようにする為にも必要ですね」と佐藤さん。「そうです。自分の家ではないので、逆に丁寧に慎重に使用しないとそのツケが最後にやってきます」と山田さん。「家を家主に返す時にはどのようなことを注意すればよいのでしょうか」と佐藤さん。「これまでお話ししてきた記録や修理についての事実をきちんと保存しておくことがポイントです」と山田さん。「きちんと保存するというのはどういうことでしょうか」「家についての書類を1カ所にきちんとまとめておくことと、エアコンのメンテの記録や修理についてのレシートなどを捨てずに保存することがポイントです」と佐藤さん。「なるほど、どこかの引き出しを家関係の引き出しとしてそこに全部の書類を入れておくことですね」「そうです。よく家を返す時にエアコンのメンテの記録を家主側から求められることがあります。これはきちんとエアコンのメンテがなされていたかどうかを確認するためです。もし家主さんが替わって、このメンテの記録がないと、最悪家主さんからメンテをしていないと受け取られて全部のエアコンの化学洗浄を要求されることも最悪あります」と佐藤さん。「それは大変ですね、化学洗浄ですと一台辺り150ドル位しますから、全部で5台のエアコンがあるので750ドルということになりますので、とんでもないことですね」と佐藤さん。「その他よくあることはベッドルームの鍵の紛失や作動不良です。日本の方々は普通ベッドルームに鍵を掛けていないので、最後に家主さんに家を返すときまでチェックをしておらず、その時になって鍵が作動しない、鍵がない、といった問題が発生します」と山田さん。「家主さんはその費用を請求してくるのでしょうね」と佐藤さん。「当然そうなります。また、普段使用していないメイドのトイレやメイド部屋の扉の状態、メイドのトイレの状態など普段使用していない場所が結構壊れていたりします。このようなことがないように最初に自分が使わない場所にもちゃんと確認をしておかなくてはなりません」と山田さん。「なるほど、ちなみにあのメイドのトイレや部屋のプラスティックの扉ですね。もし壊れている場合はいくらくらいの請求がくるのでしょうか?」「安いように見えますが、あのプラスティックの扉だけで800ドルくらいしますので、壊れていないか十分チェックしてください」
○家関係の書類は引き出しの場所を決めて1カ所で全て保存する。
○特にエアコンメンテの記録は絶対に捨てずに保存する(修理記録も同様)。
○各ベッドルームの鍵がちゃんと動くかどうかは最初に確認しておく。
○メイド部屋、トイレのプラスティックの扉は壊れやすいので最初によく確認しておく。