シンガポールの住宅・不動産事情
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住宅探し
第115回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○お住まいの引渡後のことは不動産業者さんのアフターサービス。
○原則不動産仲介はお住まいを引き渡すまで。
○このアフターサービスの質の違いを確認して不動産業者を選定することがポイント。
○選定はお知り合い、会社の総務さんに相談するのがベスト。
○家主さん側の不動産業者の質、家主さんの素性を確認することも住宅選びの大きなポイント。
○家の間取りや立地だけではなく、家主や扱っている人をチェックすることも重要。
ということでした。
引き続き不動産業者の山田さんが佐藤さんに説明いたします。
「やはり日系の不動産業者さんの方が間違いがなさそうですね」と佐藤さん。「一般的にはそうですが、ローカルの不動産業者さんでもちゃんとした人もいますので、回りの人に聞いて業者さんは選んだ方が良いでしょう」と山田さん。「退去までお世話になるということですと、日本のようにやはり不動産業者さんに手数料をお支払いすることになるのでしょうか?」と山田さん。「そうですね、もし皆様の代理人として皆様のためにお仕事をさせていただきますので、筋から言うと手数料をいただき、家主の業者さんは家主からもらうということになりますが、実際はちょっと異なります」と佐藤さん。「どういうことでしょうか?」「過去からの市場慣行では借り手(テナント)からは手数料を徴収せずに家主さんから手数料をいただき、それを家主さんの業者さんと折半することになっておりますので、借り手(テナント)からは手数料をいただいておりません」と山田さん。「そうすると山田さんにいろいろやっていただいていますが、ウチの会社から手数料は支払っていないのですか?」「そうです」「それは大変失礼いたしました。てっきりお支払いしていると思いいろいろ御願いして申し訳ありませんでした」と佐藤さん。「いえいえ、全部タダでお客様のお仕事をさせていただいている訳ではありません。もしお客様のお家賃が安い場合や賃貸借期間が短い(1年以下)の場合には家主の業者さんは家主から支払ってもらった手数料を折半してくれませんので、その場合にはお客さまからいただいております」と山田さん。「なるほど、そうですよね、お仕事で私どもの代理をしていただいておりますので、本来は何らかの手数料をお支払いするのが普通ですよね」と佐藤さん。「家主側から手数料をもらうということは、手数料を支払っている人の利益になることを本来であればしなくてはならないのが、現在の慣行ですとちょっとおかしな感じになりますので、少しずつ変わりつつあります。本来であれば家主さんの為に仕事をしている人は家主さんから、借り手(テナント)の為に仕事をしている人は借り手から報酬を受け取るのが通例ですので、徐々に変わりつつあります」。
○家賃が安くなければ借り手(テナント)は仲介手数料を支払わずに不動産業者に業務を依頼している。
○但し、賃貸借期間が短い場合(1年以下)や家賃が安い場合(3000ドル-4000ドル)の場合には借り手が支払わなくてはならない。