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シンガポールの住宅・不動産事情

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第114回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回の説明はシンガポールの特殊事情の内(3)賃貸借契約の特殊条項についてご説明しました。

前回のポイントは、

シンガポールの不動産仲介業者は基本的に全て個人営業。​
日系不動産以外は仲介業者の会社はそれぞれの営業担当の責任をとらない

そのため個人不動産業者をおだてながら逆ギレさせないようにする

苦情申し立て機関(監督官庁)としてはCEA (Council for Estate Agencies)がある

 

ということでした。

「なるほど、そうすると基本的にシンガポールでは不動産仲介業者さんは全て個人営業と考えて良いのですね」と佐藤さん。「そうですね、日系不動産業者以外はそういうことになります」と山田さん。「私など全くシンガポール、海外駐在ははじめてなので、どこまで不動産業者さんに御願いしたら良いのかわからなかったのですが、どのくらいのお仕事を御願いして良いのでしょうか」と佐藤さん。「不動産仲介というのはあくまでも<仲介>ですので、物件の御案内、ご契約、お住まいの引渡が完了した時点でその業務は完結します。日本などではその後のことは家主さんと直接連絡交渉していただくようなことになりますが、海外ではなかなかそのようには行きません」と山田さん。「そうですね、私たちもわからないことだらけですので、入居後のサポートがどうしても必要になりますが、その付近のサービスはどうなのでしょうか?」と佐藤さん。「基本的にご入居後のサポートはアフターサービスのようなことになり、ご更新の時に再度私どもをご利用いただけるか、お客様をつうじて他のお客様のご紹介を受けたり、同じ会社の方々をご紹介いただけるか、ということの為に行うことになります。そのため、ローカル業者で引き続きそのお客様のフォローを行いたくないような場合には、お住まいを引き渡した後は全く何もしない、というケースも出てきます」と山田さん。「そのような業者さんですと困りますね」と佐藤さま。「大体皆様方はそのような事態を避けるため、お知り合いの方にどの業者を利用したかを確認したり、会社の総務さんにご相談されたりしながら私どもをお選びになられているようです。ただ、時々とんでもない家主さんや相当いい加減な家主側の業者さんにあたってしまうこともあり、家主さん側の業者さんがどこかに消えてしまったり、連絡がほとんどつかなくなるようなケースも起こります。シンガポールでは家主さんの業者さんしか家主さんの連絡先電話番号などがわからないケースも多いので、契約書にある家主さんの住所に行かなくてはならなくなることもあります」と山田さん。「そんなこともあり得るのですか? そうすると家主さん側の業者さんというのもポイントになりますね」と佐藤さん。「おっしゃるとおりで、家を見学して回るときに家主さん側の不動産業者さんがどのような感じか、ちゃんと仕事をやってくれそうかどうか、家主さんがどのような人か、といったところも家を選ぶ上で大切なポイントです」と山田さん。

ポイント

お住まいの引渡後のことは不動産業者さんのアフターサービス
原則不動産仲介はお住まいを引き渡すまで
このアフターサービスの質の違いを確認して不動産業者を選定することがポイント
選定はお知り合い、会社の総務さんに相談するのがベスト
家主さん側の不動産業者の質、家主さんの素性を確認することも住宅選びの大きなポイント
家の間取りや立地だけではなく、家主や扱っている人をチェックすることも重要