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シンガポールの住宅・不動産事情

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第112回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回の説明は(シンガポール住宅賃貸にかかわる日本人業者)ということで

ポイントは、

シンガポールで日本人がビザを取得する状況は厳しくなってきている。​
不動産営業資格は基本的に外国人には与えられていない

さらにこの不動産営業資格を持たない人が単独で住宅の案内を行う場合は法令違反となる

この二つのことから日本人によるサポート体制を充実させることがかなり難し状況にある

 

ということでした。

「なるほど、日本人の不動産業者さんの数自体が相当少ないのですね」と佐藤さん。「不動産賃貸だけでなく、不動産売買、投資業者として登録していらっしゃる日本人の方が若干いますが、不動産賃貸専業で日本人という方はおそらく数えるほどしかいないのが現状です」と山田さん。「日本語をしゃべるシンガポール人の不動産業者さんはどうでしょう?」と佐藤さん。「日本語をしゃべる人もいますが、やはり大体が英語のみの対応となると思います。これは不動産業界に限った話しではないですが、日本語を話せるということは確かに一つの大きなメリットになりますが、必ずしも専門業者としての十分な能力があるとは限りません。むしろ場合によっては日本語を話せない専門業者の方が技能的に高い場合が時々見受けられます」と山田さん。「もし自分が英語での対応に自信があればそちらの方が良いということでしょうか?」と佐藤さん。「その場合はそのシンガポール人が十分な経験と知識、日本人のお客様のケースを多数扱っている、ということが前提になります。ただ、例えその場合でも日本の不動産取引や法律を知っているわけではありませんので、日本との比較や現在行われているシンガポールでの慣行を十分説明できるかと言われると、難しいのが現状です」と山田さん。「そうすると日本人で不動産取引経験がある人とシンガポール人の経験豊富な有資格者との組合せがベスト、ということになりますね」と佐藤さん。「ただなかなか日本人での不動産取引経験者がシンガポールで働いているというケースはまれで、どうしてもシンガポールでの経験に基づいて仕事をしている人達が大多数といえます」と山田さん。「私たちからすれば初めての場所で、しかも外国となるとどうしても日本人の不動産業者さんの方が安心なのですが、いろいろ難しいことがあるのですね」と佐藤さん。「さまざまなハードルがあります。しかもそれぞれの個別の不動産業者の能力の問題以外に、家主側の不動産業者さん、家主さん、修理業者の対応、建物の構造上の問題、コンドミニアムの管理形態と質、といった問題が全て絡み合ってくるので、なかなかいろいろな手続がスムーズに行かないということになります」(次回もローカルの不動産仲介業の特徴を日本と比較します)

ポイント

日本人の不動産業者さんの数自体が相当少ない
日本語をしゃべる不動産業者が不動産業者として十分な経験、能力、知識があるかというと必ずしもそうではないケースがある
シンガポール人の不動産業者の場合、日本の慣行との比較、日本並みの十分な説明等が十分でないケースもある
さらに全ての不動産取引慣行、建築設備事情などが日本と異なるので対応が難しいことが多い