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シンガポールの住宅・不動産事情

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第111回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回の説明はシンガポールの特殊事情の内(3)賃貸借契約の特殊条項についてご説明しました。

前回のポイントは、

○最近は修理業者は時間通りに来るが概ね2時間の幅を指定されることが多い。​
○高額修理になる可能性がある時には事前に家主の了解を取っておいた方が良い。

○もともとがメンテしやすいようにできていないので、しょっちゅう修理が必要になるがなかなか完全に直すことができないケースが多い。

○修理業者は呼ぶだけでお金がかかることがあるので修理ができなくても支払いが必要になることがある。

 

ということでした。

「なるほど、いろいろな問題があるのですね、それだけの問題を解決してもらうのにやはりシンガポールと日本の違いをきちんと説明して貰える人がいてくれると良いですね」と佐藤さん。「そうですね、ただ現在この分野に限らず日本人に対するビザの発給がかなり厳しくなっています」と山田さん。「私も会社で聞きました。日本人駐在員にビザを発給する前にシンガポール人でそのポジションができるどうかの採用活動をしてから、どうしてもいない場合にかぎり日本人にビザを出す、という状況のようですね」と佐藤さん。「それ以外にも給与等の制約があり日本人のビザの取得は前ほど簡単ではなくなりました。その上に不動産営業活動をするためには、営業担当者がその資格を持たないといけないのですが、現在基本的には外国人(永住権保持者は除く)がこの資格を持つことは認められていません」と山田さん。「そうですか、日本では宅地建物取引士の資格がなくても、営業担当として活動はできますが、シンガポールではできないのですか?」と佐藤さん。「シンガポールではこの資格がない人が不動産の案内を行うことすら禁止しており、もしそのような事があれば法令違反として当局から罰せられることになります」と山田さん。「なるほど、それで御社の場合には日本人の人とシンガポール人営業担当の人とペアで御案内いただいているのですね」と佐藤さん。「このような状況ですので、まず日本人の人のビザの問題、次に営業資格の問題、と制約があるため、日本のお客様が日本人サポートを求められてもそのサポート対応がなかなか上手く行かない現状があります。いっぽうで、これまでご説明申し上げてきましたように様々な問題が発生、その状況のご説明とご対応が必要になる一方、お客様の日本人によるサービス、という部分が非常に難しい現状があります」「なるほど、シンガポールは移民に対して寛容だとこれまで言われてきていますが、最近の現実はそうでもないのですね」と佐藤さん。「そうはいっても、シンガポール人だけでは経済が回らないことは国の上層部では認識していると思われますので、状況を見ながら緩和されてくるのではないかと期待しております」

ポイント

○シンガポールで日本人がビザを取得する状況は厳しくなってきいる。
○不動産営業資格は基本的に外国人には与えられていない。
○さらにこの不動産営業資格を持たない人が単独で住宅の案内を行う場合は法令違反となる。
○この二つのことから日本人によるサポート体制を充実させることがかなり難し状況にある。