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シンガポールの住宅・不動産事情

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第103回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

○洗濯機や冷蔵庫など壊れて修理が必要場合に家主は修理期間中代替品を出してはくれない。​
○可能であれば冷蔵庫は予備の小さめの物があればベター。

○古めの電化製品は最初から交換を要求する。

○電化製品は長期間使用しないと壊れて修理費用を要求される。

○特にオーブンは使用しないと湿気によりすぐに壊れるので、定期的に稼働させるようにする。

○電子レンジはターンテーブルがちゃんと回転刷るかどうかを確認する。

ということでした。

今回は山田さんが水漏れについて説明いたします。。

「シンガポールは出張できたときには綺麗な街でホテルもしっかりしていて日本と同じような感じでしたが、暮らしてみると色々問題があるようですね」と佐藤さん。「そうですね、どちらかと言うと外観ほど内部がしっかりしていないケースが多々あます。多分これは金融・貿易に重点を置いた経済成長政策に対して、技術設備のフォローをするいわゆる<職人>を軽視してきた結果と言えます。日本のマンションではほとんど見られない水漏れなどがよく起こるのはまさにこの結果といえます」と不動産業者の山田さん。「私の知人でも雨期に横殴りの雨がふると窓のサッシから水漏れがするといっていましたが、そんなものなのでしょうか?」と佐藤さん。「サッシ回りの水漏れはサッシと壁がきちん隙間無く作られていなかったり、外壁にわずかな亀裂があり、そこから雨水がしみこんで内部に漏れてくるということが原因で、窓の下部やカーテンで隠れているコーナー部分に良く起こります」と山田さん。「そのような場合どうすれば良いのでしょうか」と佐藤さん。「これは軽微な施行不良の一種で家主さんに修理をお願いしてもサッシの下や角をパテで埋めるような対処療法しかできません。根本的には通常5年に1回行われる外壁の塗装や外部からの補修が必要となりますが、おそらく完全に直す事は難しいと思われます」と山田さん。「天井からの水漏れについてもよく聞きますが、こちらはどうでしょう?」と佐藤さん。「天井からの水漏れの原因は幾つかあります。一番簡単なのは自分のユニットの電気温水器やエアコンの除湿したドレイン管や冷媒管の結露などの水漏れ、これは天井板をカットして補修することができます。最も難しいのは自分のユニットの配管からは水漏れはなく、天井内部の上層階との間のコンクリートスラブからの水漏れです」と山田さん。「そのような場合、どう対処すれば良いのでしょうか」と佐藤さん。「水漏れはどこから水が漏れているのかを見つけなければ当然補修ができません。上層階からの水漏れは床下や上層階の壁の内部でおきているため、その箇所を特定することがかなり困難です」と山田さん。「そのような場合は修理が不可能ということでしょうか?」と佐藤さん。「不可能ではなく、上層階のどの部分で水漏れが起きているかを発見するため、考えられる箇所の給水や排水を順番に止めて、上層階のコンクリートスラブが乾くか乾かないかを見極めながら場所を特定する必要があります。そのため上層階の人はこの確認作業中その部分、例えばトイレやシャワールームを使用することができなくなります」「それは大変ですね」「しかも大抵上層階の人は借りていて、家主が別にいるため、下の居住者、下の家主、上の居住者、上の家主、さらにそれぞれの修理人のスケジュールを調整しなくてはなりませんので、修理に膨大な時間がかかります」と山田さん。

ポイント

○シンガポールにプロの職人はほとんどいないため修理作業が全般的(技術・マナーなど)に大変。
○シンガポールでは住戸内の水漏れは良くある(窓枠、天井など)。
○上層階からの水漏れが原因の場合には相当修理に時間がかかることを覚悟しなくてはならない。