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シンガポールの住宅・不動産事情

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第102回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

○シンガポールのコンドミニアムは照明器具無しで販売される。​
○そのためユニット毎に照明は全て異なる。

○照明器具は世界中から輸入されるため品質がバラバラで問題が起きやすい。

○完全に壊れていないと家主さんはなかなか交換に応じてくれずにそのたびに入居者に修理費用の負担が発生する。

○照明器具を交換、購入刷るときには家主さんから一定の予算をもらって購入する。

ということでした。

引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんに質問します。

「照明器具についての状況はわかりました。他の家電製品にはどのような問題がよく起こるのでしょうか?」と佐藤さん。「エアコンは以前お話ししたとおりですが、次にやはり問題になるのは洗濯機、冷蔵庫が最も重要で、さらに乾燥機、オーブン、電子レンジが続き、場合によっては食器洗浄機やジャクジーなどからも問題が発生します」と山田さん。「日本と違って家具や電化背品などほとんど家主さんから提供されるので問題はつきなさそうですね」と佐藤さん。「そうですね、ほとんどの日系企業さんはこのような家具、電化製品付での賃貸をご希望されるので、日本と比べてより一層家主さんとのトラブルが多いのが現状です」と山田さん。「洗濯機と冷蔵庫は毎日使うものですので、ないとこまりますようね。壊れたら家主さんは替わりのものをすぐ出してくれるのでしょうか?」と佐藤さん。「これまでもうしあげましたように、シンガポールではサービスアパート以外の家主さんは基本的には個人ですので、替わりの家電製品をすぐに出してくれません」「そうすると、壊れたら洗濯機や冷蔵庫無しで生活しなくてはならなくなるのですか? それは結構ひどいですね。家主さんはその責任をとってくれないのですか?」と佐藤さん。「残念ながら、幾つか不動産を持っていて、そこに予備の家電製品がある家主さんの場合は別ですが、そのような人はほとんどいません。そのため、<壊れて今なおしているので、待ってくれ>としか言われません。しっかりした不動産業者であれば替わりの電化製品のストックがあり、暫定的に出してくれる会社もありますが、ほとんどの不動産業者は個人ですので、<家主がそう言っているからしょうがない>という対応で終わってしまう場合が多いようです」と山田さん。「それはひどいですね、どうすれば良いのでしょうか?」「自衛手段としては、予め小さ目の予備の冷蔵庫をメイド部屋などに用意しておいて、壊れても慌てないようにする方法が一番現実的ですが、洗濯機の場合には予備の洗濯機を買っておく訳にはいきませんので、とにかく家主側をプッシュするしか方法がないのが現実です。そのため、住宅を決める時には冷蔵庫や洗濯機などの状態を良く確認して、ちょっと古ければ予め交換の要求を出すことが必要です」と山田さん。「オーブンや電子レンジについてはどうでしょうか?」「シンガポールでは特にオーブンが最初から壊れている、あるいは湿気のため長い間使用しないと壊れてしまいます。また、電子レンジはちゃんとターンテーブルが回るかどうかも確認しておく必要があります。オーブンに限らず電化製品は長期間使用しないと壊れてしまい、退去時に修理費用を要求されることになりますので、こまめに使用するか、定期的に稼働させることが必要です」。

ポイント

○洗濯機や冷蔵庫など壊れて修理が必要場合に家主は修理期間中代替品を出してはくれない。
○可能であれば冷蔵庫は予備の小さめの物があればベター。
○古めの電化製品は最初から交換を要求する​。
○電化製品は長期間使用しないと壊れて修理費用を要求される​​。
特にオーブンは使用しないと湿気によりすぐに壊れるので、定期的に稼働させるようにする​​。
電子レンジはターンテーブルがちゃんと回転するかどうかを確認する​​。