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シンガポールの住宅・不動産事情

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第100回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

○シンガポールの住まいでは修理が日常茶飯事。​
○修理が多い事項はエアコン、照明器具、各種電化製品、建具関係、水漏れ。

○エアコンの室内機からの水漏れは最もポピュラーなトラブル。

○エアコンからの水漏れを防止する為に定期点検が必要。

ということでした。

引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんに質問します。

「エアコンからの水漏れが最も多いトラブルと聞きましたが、このメンテナンスはどのくらいの頻度で行うのが良いのでしょうか?」と佐藤さん。「一般的には3ヶ月に1回行うことが多いようです。ただ地元の人達はこれを4-6ヶ月に1回しか行わない人もいますが、当然頻度が多い方が問題が起こりにくいと言えます。また、エアコンがどのくらい新しいかによっても水漏れの頻度がことなり、当然古い建物や古いエアコンほど水漏れの頻度が高いといえます」と山田さん。「なるほど、私の知人では天井に埋め込みになっているエアコンを使っている人も結構いますが、メンテがうまく行われていないとの話しを聞きますが、どうなのでしょうか?」「エアコンが壁付けになっている場合は取り外しが容易で、機械の中まで清掃が可能ですが、天井埋め込み型エアコンはこのような日常のメンテが非常にむずかしいので、一旦故障や水漏れが起こると天井をカットして中を露出させて修理を行わなくてはならなくなるためエアコンメンテと大工仕事の両方が必要となり、解決に大変時間がかかります。そのため古い物件でエアコンが天井埋め込み型になっている場合には将来そのようなことが起こる可能性が高いので注意が必要です」と山田さん。「それは大変そうですね、なぜそれだけ大変なメンテが必要なエアコンの機械をつかっているのでしょうか?」「それはシンガポールのコンドミニアムの販売はこれまで主に投資家を対象に行ってきたためで、メンテナンスよりも見てくれを重視することと、販売後のアフターフォローに転売目的とする投資家が関心を払わずにきたことによります。ただここ数年シンガポール人が裕福になり自分自身の家としてコンドミニアムを購入するようになってきたので、今後はこのようなメンテナンスの部分が徐々に改善されるものと思われます」と山田さん。「エアコンについて、他に何か注意すべき点はありますでしょうか」と佐藤さん。「メンテナンスの義務を負うのが家主になるのか借主になるのかはそれぞれの賃料等の条件との兼ね合いによりますので、必ずどちらか一方が行うというものではありません。ただ、エアコンの冷媒ガス注入や化学洗浄、室外機の修理などの費用がこのメンテナンスの費用に含まれるのかどうかに注意する必要があります。冷媒ガスは最近の地球温暖化の関係で高価なガスを使用することが義務づけられており、これらの費用を一般的な修繕費用として小修繕条項により借主に負担させようとする家主もいますので、注意が必要です」。

ポイント

○エアコンメンテナンスの一般的な頻度は3ヶ月に1回。
○埋め込み型エアコンのメンテは難しく、一旦修理が必要となると修理費用及び修理期間がかなりかかることを覚悟する。
○エアコン面得ナンスの費用負担は賃貸借契約のその他の条件等により負担が家主になるのか借主になるのか決まるので、どちらか一方が必ず行わなくてはならないということではない​。
○エアコンの冷媒ガス注入、化学洗浄費用、室外機修理などの費用がエアコンメンテナンスの費用に含まれるのか、借主負担あるいは家主負担になるのかについて注意が必要。