シンガポールの住宅・不動産事情
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住宅探し
第90回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○カビが発生したら理由の如何を問わずテナントの責任となる。
○浴室の換気はこまめに行う。
○換気扇がちゃんと動いて居るかどうかティッシュやトイレットペーパーで確認。
○エアコンは嫌いでも時々利用する。
○はめ込み式エアコンの吹き出し口の結露はこまめに拭き取る。
ということでした。
引き続き佐藤さんが山田さんに家を家主さんに返す際の注意点を聞きます。
「なるほど、これまでのお話しをまとめると●“普通に使っていた”ということは人により程度判断が大きく異なるため問題になるポイントですので、キズ、しみは極力つけない●家の返却の際にいろいろ理不尽なことがあっても怒らず、極力妥協点を見いだすか、どうしても妥協点がない場合には先送りし、家の返却の際には何が何でも鍵を相手に返すようにする●家に備え付けられている電化製品(エアコン含む)を入居期間中は全てまんべんなく使用するか、使用しなくても定期的に電源を入れて一定期間稼働させて確認する●オーブンの場合には1-2ヶ月に一度200度以上にして15分位稼働させる●<使っていない>という状況は過失と判断されその修理費用は全額入居者、テナント負担となる●使用ミスなく使用して壊れた場合でも小修繕条項で一定金額まで入居者/テナントの負担となる●壊れやすい電化製品としてはオーブン、食器洗浄機、ビルトインコーヒーメーカー、掃除機等がある、ということでしたが、このようなトラブルをなるべく軽減するためにはどうしたら良いのでしょうか」と佐藤さん。「ポイントはご入居の時に行うインベントリーチェックできちんと当初の状態を記録に取ることが基本で、通常最初の1ヶ月は修理について家主が行ってくれる保証期間になりますので、この期間にきちんと家主に修理の必要箇所、修理は必要ないけれども壊れている状況を記録することです」と山田さん。「なるほど、私の場合にはすぐに家内がきてくれていろいろ問題点を指摘してくれ、修理ができましたが、1ヶ月を過ぎるとたとえその問題が最初からあっても家主に連絡していないと借りている人の責任となるということですね」と佐藤さん。「家を家主さんに返す時に良くある話しは、家主さんからある部分の修理、故障をしてきされると<これは最初から壊れていた><この部分はこういうものだと思っていた>など借りている人が修理負担を拒むケースです」「借りている側の気持ちとしてはそのように言いたくなるでしょうね」と佐藤さん。「気持ちは十分わかりますが、やはりちょっと使用上に問題があるのであれば最初の1ヶ月以内に家主側に通知、記録していないとこのように修理費用の負担を要求されることになります」と不動産業者の山田さん。「そうすると、ちょっとおかしなことがあればできる限り最初の1ヶ月に家主に連絡記録をする、ということですね」と佐藤さん。「そうですね、申し上げたように入居引渡の際のインベントリーリストになるべく詳細に状況の記録を取ることと、できれば写真があれば望ましいでしょう」と山田さん。
○入居引渡の際の家具、備品のインベントリーリストはそれぞれのアイテムが揃っているだけではなくその状態をなるべく詳細に記録。
○最初の1ヶ月に修理必要箇所、修理は必要ないけれども記録が必要な箇所を家主に連絡、記録。
○家を返却する際に記録がなければ<最初から壊れていた><最初からこうだった>と言うことは費用負担の免責にはならない。
○問題点はなるべく写真に残し、家主側にもその写真を通知連絡する。