シンガポールの住宅・不動産事情
PRO
プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第85回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○転勤に伴う中途解約には2ヶ月前にレジスターメールによる家主への通知が必要。
○たとえ2ヶ月住む必要がなくても基本的にその通知から2ヶ月分の賃料支払義務は発生する。
○会社契約の場合入居者を変更する場合も家主へのレジスターメールでの通知が必要。
○すぐに転勤に伴う中途解約条項が利用できずに入居者変更を行う場合には、必ず<ディプロマティッククローズの権利行使を留保する><reserve the right to exercise the Diplomatic Clause>という表現を必ず入居者変更の通知のレターに記載。
ということでした。
引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんに質問をします。
「もし誰かに替わりに住んでもらうとすると、その人が最終的に家主さんに家を返すのですね」と佐藤さん「そうです。その場合にいくつか困ったことが良く起こります」と不動産業者の山田さん。「どのようなことが起こるのでしょうか」「最も良く起こるのは、何かお住まいに問題があった場合に、その問題が替わりの人が住む時からあったので、自分の責任ではない、というようなことが頻繁に起こります」「なるほど、そうすると替わりの人に住んでもらう前に、その人と家の状態について確認する必要がでますね。もしほんのわずかの期間しかその人が住まない場合はちょっと面倒ですね」と佐藤さん。「おっしゃるとおりです。もし残りの期間がごくわずかしかない、たとえば1ヶ月くらいしか替わりの人が住まない場合には、家主さんにその家を返した際の原状復帰費用は前に住んでいた人の負担とするか、替わりの人に住んでもらうことを決めたテナントである会社さんの負担とする必要が出てくると思われます」と山田さん。「なるほど、結構難しい問題ですね。会社としてはわずかでも無駄な賃料の支払いをなくすために替わりの人に住んでもらいたいのでしょうけれども、最後にその家の原状復帰費用を前に住んでいた人に請求せずに会社負担とすることも他のスタッフの人に原状復帰費用を負担させている場合には公平性が問題になりますね」と佐藤さん。「そうですね、一方で前に住んでいた人はもう帰国してsまっていますから、その家を返す時に立ち会うことができないので、一方的に費用を負担してもらうことも難しいのが現状です」と山田さん。「どうすればよいのでしょうか?入居者が変わる時に家主さんに立ち会ってもらって一緒にチェックしてもらうわけにはいかないのでしょうか?」と佐藤さん。「ときどき、協力的な家主さんや家主さんの不動産業者さんは立ち会って、責任区分をはっきりさせてくれることもありますが、ほとんどの場合で家主さんは<テナントさんの都合>であることを理由に立ち会ってくれないのが現状です」と不動産業者の佐藤さん。(次回に続く)
○居者の入替をする場合にはその家を家主に返却する際の原状復帰、修理費用の負担を誰が行う野かを明確にする必要がある。
○この負担区分を明確にする立会には通常家主側は立ち会ってくれない。