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第83回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

○付帯する電化製品は必ず使用する(動かす)。​
○電化製品は使用しないと壊れることがあり、その責任と問われることがある。​
○そのため入居した後に全てちゃんと動くかどうかということを確認しなくてはいけない。

○入居してから1ヶ月以内にそれらの家電製品の状況確認をして、修理が必要なものは修理を行い、自分で使う予定のないもの、たとえば食器洗浄機、オーブン、コーヒーメーカー、バスタブのジャグジー機能などが壊れていれば直す必要がないが壊れている旨きちんと先方と書面で確認する、ということでした。

今回は転勤で帰国する際のお住まいの家主さんへの返却の際の注意点を山田さんが佐藤さんに説明します。

「電化製品がちゃんと動かないと将来家主さんへ住宅を返す際にたとえその電化製品を全然使用していなかったとしても修理費用が請求されます」と山田さん。「わかりました、入居するときにちゃんと確認して入居期間中もちゃんと使用するようにします」と佐藤さん。「それ以外に住宅を家主さんに返す際の注意点としてはどのようなことがあるのでしょうか」「まず最初に転勤に伴う中途解約の場合には、契約で決められている2ヶ月前の解約通知を書面で先方に書き留め(レジスターメール)で連絡し、賃料を支払う最終日の確認をしなくてはなりません。契約期限に伴い更新をしないで退去する場合には、通常の契約では法的には解約通知を出さなくても解約できますが(自動解約)、直前になって更新しない旨を通知すると感情的に家主が怒ってもめる時がありますので、最低期限切れの1.5ヶ月前には更新しない旨通知をした方が良いでしょう」と山田さん。「なるほど、家主さんも次のテナントさんを見つけなくてはならないので、事前通知が十分でないと怒っちゃうわけですね」と佐藤さん。「そのとおりです。ここで問題になるのはテナントさんが更新するしないにかかわらず、契約では家主さんは契約期限の2ヶ月前から次のテナントさん候補を案内できるようになっていますので、今住んでいる人はたとえ更新をするつもりでも次のテナントさん候補の見学を受け入れなくてはならい、ということです」と山田さん。「もしそれを断るとどうなるのでしょうか」と佐藤さん。「そうするとかなり家主さんともめることになります。特に契約を更新しない、あるいは中途解約で退去通知を出しているのにもかかわらず次のテナントへの見学に協力しないと、家主さんが感情的になり実際の物件返却時にいろいろ難癖をつけてくることになります」と山田さん。「それはちょっとおかしいですね、契約では自然減耗分、普通に使用していることにより発生した劣化は免責になるのではないですか」と佐藤さん。「おっしゃるとおりです。ただ<自然減耗分>や<普通に使っていた>という明確な基準がなく、きれい好きな方とずぼらな方では天と地ほどさがあるのも事実で、一概に主張することはできずにいつも退去時にもめる原因となります」と山田さん。「どうすればこのような問題を避けることができるのでしょうか」と佐藤さん。「一つには日頃から家主さんや家主さんの業者と良好な関係を築くように心がけることと、退去が決まったらなるべく家主さんに協力して次のテナントさん候補の見学を受け入れてあげることです」と山田さん。

ポイント

○退去時に一切使用しなかった電化製品が故障していた場合、入居時にその旨明確に記録していないと修理費用の請求を退去時に受ける。
○転勤に伴う中途解約は通知を出した日から2ヶ月後まで賃料支払義務がある。
○契約更新をしない場合でもその旨家主には契約期限切れの1.5ヶ月前には書面で通知を出した方が良い(通知義務がない場合でも)​。
○退去が決まった場合、家主さんの次のテナント候補への見学はなるべく協力する​。
家主さんはほとんどが個人で家主さんの業者も個人なので感情的にもつれないように日頃から良好な関係を維持するように努める​​。