シンガポールの住宅・不動産事情
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住宅探し
第82回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○リース家具を家主さんに勝手に買い取られないように契約の中にリース家具買い取りのオプションはテナントにあることを契約書に明示する。
○契約書にリース家具の条項を入れる前に事前にレターオブインテントに明示し家主さんの了解を取り付ける必要がある。
○リース家具の一部を買い取ることもできるが全部買い取るより割高になる。
○チークの家具を日本に持ち込む場合にはその質に留意する必要がある(日本の乾燥した冬場に壊れることがある)ということでした。
今回は不動産業者の山田さんがお客さんの佐藤さんに家具や電化製品の使用上の注意点を説明します。
「リース家具利用についてのメリットはよくわかりましたが、家主さんがどうしてもリース家具に同意してくれなくて家具や電化製品を全部新品に揃えてくれたような場合、どのような点に注意したら良いのでしょうか」と佐藤さん。「家主さんが買ってくれたり、あるいは新築未入居の物件に住む場合には結構気を使わなくてはなりません。家主さんは基本的に個人で転売目的で不動産を購入していることは以前ご説明しましたが、そのため不動産売買、賃貸のプロでは決してありません。つまりどのくらいが普通につかってきた状態、つまり自然減耗分にあたるかという基準を全く持っていないとともに、テナントさんと関係が悪い場合に意図的に難癖をつけてくることもあります」と山田さん。「それは大変ですね、どうすれば良いのでしょうか」と佐藤さん。「基本的に人のものを使わせてもらっているということからいずれ先方に返却するので、問題なく返却しようとする場合には自分のもの以上に気を使う必要があります。ときどき人のものだからといい加減に扱う人もいますが、逆です。ただ<結局はお金の問題なのでその物と同等の物を買って渡せば良い>と考えることができれば別ですが」と山田さん。「どのように気を使えばよいのでしょうか」と佐藤さん。「まず電化製品ですが、これは住宅のキッチンキャビネットなどに備え付けられている電化製品を含みますが、基本的に使用しなくてはなりません。電化製品や什器備品は使用しないと壊れます。住宅を家主さんに返却する際に家主さんがそれぞれの電化瀬品の稼働状況を確認することがあり、その際に動かない、うまく作動しないことがあり、テナントさんが入居から一度も使用していないから自分には責任がない、と主張することがありますがそれは通用しません」と山田さん。「全然使ってなくて最初と同じように綺麗な状態で返却することが問題になるのですか?」と佐藤さん。「賃貸借契約には原状復帰義務という義務がテナントさんに課せられます。これはその住宅を家主さんがテナントさんに渡した時の状態と基本的に同じような状態で返さなくてはいけないことを言います。つまり、最初その家電製品がちゃんと動いていたら、ちゃんと動く状態で家主さんに返却しなくてはならない、ということです」と山田さん。
○付帯する電化製品は必ず使用する(動かす)。
○電化製品は使用しないと壊れることがあり、その責任と問われることがある。
○そのため入居した後に全てちゃんと動くかどうかということを確認しなくてはいけない。
○入居してから1ヶ月以内にそれらの家電製品の状況確認をして、修理が必要なものは修理を行い、自分で使う予定のないもの、たとえば食器洗浄機、オーブン、コーヒーメーカー、バスタブのジャグジー機能などが壊れていれば直す必要がないが壊れている旨きちんと先方と書面で確認する。