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第81回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

○2年のリース家具契約が終わったとしてもリース家具はタダにはならない。​
○賃料が上がっている時などリース家具を買い取ることで賃料上昇を抑えることができるときもある。​
○リース家具を買い取る場合、大体毎月のリース料金の1ヶ月ないしは2ヶ月相当分で買い取ることができることが多い。

○買い取らずに延長した場合のリース家具料金は転勤条項でどのくらい最低期間が設定されているかにより更新した後のリース家具料金は異なってくる、ということでした。

引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんに住宅家具について聞いていきます。

「リース家具をテナントが買い取ることができるとお伺いしましたが、テナントが買い取る事について家主さんから文句がでないのでしょうか」と佐藤さん。「時々、リース家具を家主さんが自分が契約しているからといって、勝手に買い取ってしまうことがあり、こうなるとリース家具のメリットを生かすことができなくなってしまうことがあります」と山田さん。「どうすればそのようなことを防ぐことができるのでしょうか」「このようにリース家具のメリットを住宅の賃貸借契約期間中生かすようにするために、テナントさんがそのリース家具が欲しくなくてもテナントにリース家具買取のオプションを契約に盛り込むことができます」と山田さん。「そのような契約を家主さんは結んでくれるのでしょうか」と佐藤さん。「当然契約書作成の段階で突然このような要求をしても断られる可能性が高いので、転勤による中途解約条項、小修繕条項、エアコンメンテナンス条項と同様にレターオブインテントの中に最初からリース家具とそのリース料金予算と一緒に要求しなくてはなりません」と山田さん。「そのようなことが可能なのでしょうか」と佐藤さん。「リース家具の可否、リース家具料金等が合意されれば比較的容易に家主さんは了解してくれます。このようにすることによって、少なくとも家具の使用状況を巡って退去の際に家主さんともめることを避けることができると同時に、気に入った家具を買い取って日本に持って帰ることも可能になります」と山田さん。「なるほど、リース家具を全部買い取らなくても良いのですね?」と佐藤さん。「全部買い取った方が安くなりますが、一部家具を買い取る場合でも全部買い取る場合と同じくらいの金額、もしくは高くなることもあります。これは全部買い取る場合リース家具会社は家具引取の手配、労賃がかからないため安くできますが、残りをリース会社が引き取る場合そのコストがかかるためです」と山田さん。「なるほど、うちの家内はバリにいってからバリ風の家具が気に入ってチークでできた家具を日本に買って帰りたいと言っているので、そのような場合にはこのリース家具買い取りは便利な制度ですね」と佐藤さん。「そうですね、でもチークの家具は日本の家具と比べて年輪がなく重いため、日本の冬場の乾燥に耐えきれず折れてしまうことがありますので、持ち帰らない方が良いかもしれません」と山田さん。「それは良いことを聞きました。家内に買わない事の言い訳ができますので、助かります」と佐藤さん。

ポイント

○リース家具を家主さんに勝手に買い取られないように契約の中にリース家具買い取りのオプションはテナントにあることを契約書に明示する。
○契約書にリース家具の条項を入れる前に事前にレターオブインテントに明示し家主さんの了解を取り付ける必要がある。
○リース家具の一部を買い取ることもできるが全部買い取るより割高になる​。
○チークの家具を日本に持ち込む場合にはその質に留意する必要がある(日本の乾燥した冬場に壊れることがある)