シンガポールの住宅・不動産事情
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住宅探し
第80回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○ときどきリース家具を認めてくれない家主さんがいる。
○リース家具の使用者責任が問題になるときには入居者、リース会社、家主さんの三者契約を締結することもある。
○どうしても家主さんがリース家具を認めてくれない場合には予算をもらってテナントさんが購入することも可能。
○その場合、購入する家具のアイテムを事前に決めておくことが必要。
○写真を使ってそれぞれが納得するような家具選びは絶対にしてはならない、ということでした。
引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんに住宅家具について聞いていきます。
「リース家具を利用して賃借する場合の他のメリットは何かあるのでしょうか」と佐藤さん。「そうですね、現在は大分賃料が落ち着いて一部のコンドミニアムでは賃料が下がっているケースも見られますが、賃料が上がっている時などはこのリース家具の部分を使って賃料の調整ができる時もあります」と不動産業者の山田さん。「それはどういうことでしょうか」「リース家具は2年間の期間のリースを前提に契約されています。そのため2年の期間が終わったらその家具を安値で買い取ることができます」と山田さん。「えっ、リース期間が終わったらタダでもらえるのではないのですか?」と佐藤さん。「そのように考える人が多いのですが、たとえ継続リースであってもリース家具会社は安くなるにしても引き続き毎月のリース料金を徴収しようとするのが通例です。でも2年のリース期間が終わったら大体多くの場合には1ヶ月分もしくは2ヶ月分のリース家具料金でこれまでリースしていた家具を買い取ることができます。この方法で賃料が上がった場合にテナントさんがそのリース家具を買い取って、家主さんの手取りを上げて賃料自体の値上げを回避する方法もあります」と山田さん。「なるほど、確かに家主さんの手取り分を増額することができますね。でもタダではないというのがどうも納得いかないのと、特に継続利用の場合にそのように買い取ることができるのに、さらにリース料金を取ろうとするのがよくわかりませんね」と佐藤さん。「そうですね、何度もリース家具会社にそのように話したことはありますが、リース家具会社は引き続き提供している家具の破損などの際の交換や修理に責任をもつから、というのがその理由のようです。またリース家具を継続利用するからといって必ず毎月のリース家具料金が安くなるとは限りません」と山田さん。「リース家具を2年後に継続していてもリース料金が下がらないということがあるのでしょうか?」と佐藤さん。「それはたとえば、最初の2年契約にはディプロマティッククローズといって1年経過したら転勤の場合に限り2ヶ月前に書面で通知することにより賃貸借契約を解約できる、という条項があったことを覚えていますか?」と山田さん。「ええ、確か転勤の場合についてはそのように解約できると理解しています」と佐藤さん。「2年経ってからこの転勤中途解約条項の期間が1年でなく6ヶ月になった場合などは毎月のリース家具料金が下がらないこともあります」と山田さん。「なるほど、すぐに解約されてしまう可能性があるからリース料金を安くできない、ということですね」「そのとおりです。ですのでこのような事などを考えるとリース家具は2年経過したら買い取ってしまった方がお得ということが結構あります」と山田さん。
○2年のリース家具契約が終わったとしてもリース家具はタダにはならない。
○賃料が上がっている時などリース家具を買い取ることで賃料上昇を抑えることができるときもある。
○リース家具を買い取る場合、大体毎月のリース料金の1ヶ月ないしは2ヶ月相当分で買い取ることができることが多い。
○買い取らずに延長した場合のリース家具料金は転勤条項でどのくらい最低期間が設定されているかにより更新した後のリース家具料金は異なってくる。