シンガポールの住宅・不動産事情
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プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第78回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○バスタブや洗面台の栓はよく壊れるので、自分でゴム栓を利用した方が便利。
○修理業者は来るだけで80ドルから場合によっては100ドル以上(高級家電メーカーのカスタマーサービス)かかることがある。
○シンガポールでは見てくれ重視でメンテナンスを軽視している傾向があるため壊れやすいものが多い。
○シャワーヘッド、シャワーホースは自分で交換可能
○電球の交換も自分で交換可能だが、はしご、脚立の用意が必要、ということでした。
今回は佐藤さんが山田さんに住宅の家具について聞きます。
「うちの会社では社内規定で住宅の契約は家具付きでないといけないと言われていますが、一般的なのでしょうか?」と佐藤さん。「多くの日本の会社はどういう訳か海外の住宅については家具付きの予算を設定しています。欧米系の企業のほとんどは住宅手当という支給方法を取っていることもありますが、家具については特に強制はしていません。これは欧米の人たちにとって家具は自分の人生の一部という考え方によるためか、ほとんどの人が自分の家具を持ってくることを前提にしており、また会社もそのための補助を行っているようです」と不動産業者の山田さん。「私も自分の家具を持ってきたいのですが、会社の船便の容量に制限があり持って来れないのです」と佐藤さん。「そうですね、シンガポールでは日本人駐在員の数がほかの外国人と比べて圧倒的に多く、2014年時点では3万人以上がいると言われています。企業にとっても無制限に引っ越し荷物を認めると費用的に負担が大きくなることも制限を設けている一因と思われます」と山田さん。「なるほど、そのために家具付き賃料という規制になるのですね」と佐藤さん。「ただ、一方で日本の賃貸住宅の場合、家具はもちろん、家電製品、照明、カーテンなどもない状態ですら退去時に住宅の使用状況による敷金からの費用差引でもめることがあるのに対して、シンガポールではこの会社の規制からほとんどの家具があり、しかも家主が様々な他人種の人たちという状況ですから、日本以上に退去ときにもめやすい状況にあります」と不動産業者の山田さん。「たしかに、お引っ越しをされた知り合いが敷金からの差引を巡って家主さんとトラブルになったと聞いたことがあります」と佐藤さん。「このことを考えると家具は自分で用意した方が将来の家主さんとのトラブルを少なくすることができるのですが、申し上げましたように皆様の会社としては家具付きで借りるように規定しています」と山田さん。「どうすれば、家具などを巡ってのトラブルを避けることができるのでしょうか」と佐藤さん。「もし可能であれば、住宅を借りる際に家具は家主の名義でリース家具にしてもらい、その費用を賃料に込みにしてもらることが一番良い方法と思われます」と山田さん。
○住宅予算はほとんどの日系企業は家具付きを想定している。
○一方で家具を巡ってのトラブルが退去時に起こりやすいので家主さんとのトラブルを少なくするためには家具なしの方が良いこともある。
○家具が必要な場合リース家具を家主さんにお願いする方法もある。