シンガポールの住宅・不動産事情
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プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第77回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○新築未入居の物件は最初から壊れていることが時々ある。
○もし竣工から1年以内であればデベロッパーでタダで修理をしてくれるのが通常で、その受付は管理事務所にて行ってくれる。
○修理等の対応は基本平日のみとなるので、独身、単身赴任の人についてはなるべく新築未入居は避けた方が無難。
○新築未入居で竣工から1年を経過している物件はデベロッパーの保証が切れているので修理は小修繕条項の適用を受け、修理費用の負担が発生する。ということでした。
引き続き山田さんが佐藤さんに小修繕の内容について説明いたします。
「なるほど、新築と言えどもいろいろなところが壊れているのですね。どのようなところがよく壊れるのですか」と佐藤さん。「一番多いのがバスタブや洗面の栓が壊れることです。シンガポールの風呂桶や洗面の栓は上下に上がるものが多いのですが、この仕組みが非常に壊れやすく上がったままとか下がったままになったりして、水を溜めることができなくなります」と山田さん。「どうすれば良いのですか?」「この部分を直すにはやはり小修繕条項が適用されますが、あまりにもしょっちゅう壊れるのでそのたびにお金がかかります(修理業者が来るだけで80ドルから場合によっては100ドル以上かかります)ので、スーパーマーケットなどでゴム栓が売っていますので、金具の栓を外して、口径を図った上でゴム栓に変えて使った方が良いかもしれません」と山田さん。「なるほど、どうしてそんなに壊れやすいものを使うのでしょうか」と佐藤さん。「この栓に限った話しではないのですが、これまでお話ししましたようにコンドミニアムを買う人はこれまでほとんど投資家だったため、デベロッパーもそのような人に販売するため入居後のメンテナンスよりも見てくれを気にします。もしゴム栓に鎖のついているものがあったとすると、見てくれがかなり悪くなるので、このような壊れやすい部材がコンドミニアムの至る所にあります」と山田さん。「なるほど、見てくれ重視が原因なのですね、他にそのような壊れやすいものはどのようなものがあるのでしょうか」と佐藤さん。「そうですね、後はシャワーのホースが良く切れて水が噴き出すとかありますが、これもシャワーヘッドやホースは簡単に外せますし、口径は全部いっしょですので、修理業者にお金を払って修理するよりご自身でスーパーで購入して交換できます。また、コンドミニアムについている照明は基本的に全て所有者が購入後に取り付けたもので、その照明器具の質がばらばらで電球の交換がしょっちゅう必要になったり、交換してもつかなかったりとすることもあります」と山田さん。「その場合には修理業者を呼ばなくてはならないのでしょうか?」と佐藤さん「電球の交換くらいですとご自身でやられた方が良いでしょう。そのためには必ずはしごや脚立が必要になります。コンドミニアムによっては管理事務所で借りることもできますが、ご自身でご用意されておいた方が良いでしょう。電球を交換してもつかない場合は、やはり修理業者を呼ぶ必要があります」
○バスタブや洗面台の栓はよく壊れるので、自分でゴム栓を利用した方が便利。
○修理業者は来るだけで80ドルから場合によっては100ドル以上(高級家電メーカーのカスタマーサービス)かかることがある。
○シンガポールでは見てくれ重視でメンテナンスを軽視している傾向があるため壊れやすい部材、仕様にする傾向がある。
○シャワーヘッド、シャワーホースは自分で交換可能。
○電球の交換も自分で交換可能だが、はしご、脚立の用意が必要。