シンガポールの住宅・不動産事情
PRO
プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第76回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○高額修理についてはできれば事前に家主の了解を取り付けておいた方が無難。
○高額修理の場合家主が壊れたものを修理をせずに交換してくれることもある。
○テナントの修理費用の負担は一箇所、一つの修理について、ということで計算される。
○そのため合計が規定金額以上でも全額テナント負担ということもある、ということでした。
引続き不動産業者の山田さんが佐藤さんにご説明いたします。
「よく新築未入居の物件は最初から壊れて居ることが多いと聞きますが、新築でもこの小修繕条項が適用されるのでしょうか」と佐藤さん。「ご指摘のように日本と異なり新築物件は完璧な状態で引渡がなかなか行われず、入居後の数ヶ月に修理が多く発生します。ただその修理が家主が設置した照明器具やカーテンなどによるものでなければ、物件が竣工してから1年はデベロッパーが保証してくれます」と不動産業者の山田さん。「そうすると例の小修繕条項は契約書にある最初の1ヶ月を過ぎてもテナントには適用されずにタダで修理をしてくれるということでしょうか」と佐藤さん。「そのとおりです。ただその新築物件の中のそこら中でそのような修理が発生しているため、デベロッパー(実際には建築会社のアフターの担当)がすぐに対応できずに修理に時間がかかるのが現状です」「でもタダであれば良いですよね」と佐藤さん。「そうですね、でも修理がすぐに行われず修理の度に家で待機していないと行けないというのが結構面倒です。また、電化製品などはメーカーのカスタマーサービスが担当するため、平日月曜日から金曜日の間の半日単位でしかアポがとれず、<何時に来て欲しい>というようなリクエストができません」と山田さん。「そうすると単身赴任の人や独身の人はその度に家に帰らないといけない、ということですか」と佐藤さん。「そのため私どもでは単身赴任や独身の方々にはあまり新築未入居はお勧めしておりません」と山田さん。「でも修理になるべくお金をかけたくなければ新築未入居を選ぶのも一つの方法ですね」と佐藤さん。「そうですが、新築未入居が全てこのようなアフターがあるかと言うとそうでもありません」と山田さん。「と言いますと、どのようなことでしょうか」「申し上げました様に竣工から1年しかデベロッパーは保証してくれませんので、この期限が終わりになるまで未入居のままの物件は入居直後にこの保証が切れてしまうことがあります。そうすると、新築なのに発生した修理に全て小修繕条項が適用され、家主のためにお金を払って修理をしてあげるように状態になりかねません。このような時には通常の小修理の免責期間を通常の1ヶ月から2-3ヶ月にするような交渉も必要な時があります」と佐藤さん。
○新築未入居の物件は最初から壊れていることが時々ある。
○もし竣工から1年以内であればデベロッパーでタダで修理をしてくれるのが通常で、その受付は管理事務所にて行ってくれる。
○修理等の対応は基本平日のみとなるので、独身、単身赴任の人についてはなるべく新築未入居は避けた方が無難。
○新築未入居で竣工から1年を経過している物件はデベロッパーの保証が切れているので修理は小修繕条項の適用を受け、修理費用の負担が発生する。。