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シンガポールの住宅・不動産事情

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第73回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

○家主にエアコンメンテナンス業務の責務がある場合にはテナントから言わないと来ないのが通例。​
○​技術的に十分ではない可能性があるため別途テナント側で自己負担でアレンジが必要なこともある。​
○日系のエアコンメンテナンス会社が無難であるがローカルより高いこともあり家主はなかなか使わない。

○エアコンメンナンス責務も条件交渉の一つとなり得る、ということでした。

引き続き山田さんが説明いたします。

「うちのエアコンはしょっちゅう水が漏れるのですが、これは普通のことなのでしょうか?」と佐藤さん。「シンガポールのエアコンは室内機と室外機が相当離れており、そのため除湿した水の排水が日本のようにすぐ真下に排水されないため、その管(ドレン管、drain)にちょっとでもゴミがあると逆流して部屋のエアコンの機械からぼたぼたと漏れてしまいます」と山田さん。「そうすると、これはシンガポールでは避けられない現象なのでしょうか」「頻繁にエアコンのメンテナンスを行えば避けられる現象ですが、一般的にエアコンメンテナンスは3ヶ月に1回というのが多く、このような現象は3ヶ月目のメンテナンス頃に良く起こり、定期点検と一緒に解決してもらうということになります」と佐藤さん。「新しいコンドミニアムでもこのようなことが起こるのでしょうか」と山田さん。「新しいコンドミニアムではゴミとかほこりが少ないため、このようなことは起こりにくく、一般的に築3年を超えてくると発生する可能性があります。また、エアコンの使用頻度によっても問題発生頻度が異なり、やはり使用頻度の高いエアコンになると汚れやすく、水漏れを起こしやすくなります」と山田さん。「なるほど、しょっちゅう水が漏れるような場合にはどのような対処方法があるのでしょうか」と佐藤さん。「通常のメンテナンスではなく、室内機を壁から外すなりして化学洗浄を行う必要があり、1台当たり200ドル位かかることもあります」「それは結構な金額ですね。そのような場合費用は誰が負担するのでしょうか」と山田さん。「この問題が起きると結構やっかいで、修理であれば通常の小修繕条項の適用を受け、たとえば150ドルを超える部分は家主の負担とできます。ただこの場合、修理ではなくメンテナンスだと言えないこともないので、家主によってはテナント負担だと言うケースもあります」と佐藤さん。「そのような事を避けるためにはどのようにすれば良いのでしょうか」「やはりこれは当初の契約段階で何がメンテナンスに含まれるのか、何が修理なのかをはっきりとレターオブインテント、契約書に記載させる必要があります」と佐藤さん。

ポイント

○エアコンの室内機からの水漏れはシンガポールではよくあるトラブル。
○このトラブルはエアコン設備の設置にかかわる構造的な問題から発生する。
○メンテナンスの頻度を高めることで避けることができるが、一般的にメンテナンスの頻度は3ヶ月に1回が多い。
○古いエアコンほど発生頻度が高い​​。
化学洗浄を行うことにより水漏れの頻度を下げることができるが、この費用負担を巡って家主ともめやすい​。
契約段階で化学洗浄費用負担区分を家主と明確に決めておく必要がある​