シンガポールの住宅・不動産事情
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住宅探し
第71回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○通常の鍵は交換されないことの方が多い、もし交換が必要な場合には家主の了解を得れば大体100ドル位でシリンダーの交換はできる。
○電子鍵を鍵屋さんに開けてもらうことはほとんど不可能。
○電子鍵が壊れるとしばらく鍵をかけられない状態になることがある。
○電子鍵を壊して開けると交換に800-1000ドル位かかることがある、ということでした。
今回も引き続き鍵にまつわるお話しです。
「電子鍵といっても暗証番号のものだけとはかぎりません」と不動産業者の山田さん。「他にどのようなものがあるのでしょうか」と佐藤さん。「暗証番号だけでなく、鍵そのものに磁気が記録されているカード式や通常の鍵と同じ形態でもドアのシリンダーが磁気で反応するもの、ボタン式のものなどいろいろあります」と山田さん。「暗証番号でないものの鍵を複製されないようにするためにはどのようにするのでしょうか?」と佐藤さん。「それぞれに共通して言えるのはドアの側に電池が入っているということですが、暗証番号のものと比べて一見すると通常のシリンダーのようにしか見えないため、多くの人が結構電池の交換を忘れます」と山田さん。「当然電池の交換を忘れたら開かなくなったり、閉まらなくなったりしますよね」と佐藤さん。「おっしゃるとおりです。ただ形状が通常の鍵のようにしか見えないため交換を忘れる人が多く、物件引渡時に説明しない業者や家主も結構いますので問題です。このようなケースで鍵の複製を作る場合、この電池によりドア側に暗証番号ではなくシリアル番号で新たな鍵を同期する必要がある機械がドアに埋め込まれており、この作業をするためのパスワードが必要になります」と山田さん。「かなりややこしそうな話しですね」と佐藤さん。「実際はややこしくはなく、暗証番号式でない電子鍵についてはこのドア側のパスワードを家主がきちんと持っているか、電池はいつ交換されたかを入居の時に確認する必要があります」と山田さん。「なるほど、そうすると鍵をなくした際に鍵を再発行する時にこのパスワードが必要、ということになりますね」と佐藤さん。「そのとおりです。問題になるのはテナントが鍵をなくして家主に相談すると、エレベーターなどの共用部分は管理事務所で発行する鍵が利用できますが、この鍵を申し上げた様にメインドアのシステムと同期するためにパスワードが必要になる訳ですが、時々家主がこのパスワードを知らないことがあります」と佐藤さん。「そうするとどうなるのですか」「そうなるともうどうにもなりません。鍵全体の交換が必要となり800-1000ドル位かかり、この費用をどちらが持つのかで家主との間でトラブルになります。家主は家主でテナントが鍵をなくさなければこの問題は起こらなかったとしてその費用負担をテナントに求めますし、テナントはテナントで家主がパスワードを保存していなかったからだとして家主に負担を求める、ということが起こります」と山田さん。
○電子鍵は暗証番号だけではなく、カード式、ボタン式、通常と同じ形態の鍵などさまざま。
○共通していることはドアに電池が必要。
○そのためメインドアの電池をいつ交換したのか、いつ交換すべきかの確認が必要。
○鍵の複製(なくした時など)などにはメインドアのパスワードが必要。