シンガポールの住宅・不動産事情
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プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第70回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○エアコンは設置された部屋の大きさによって容量が決まっているので、その容量にしたがって利用した方が良い。
○リビングダイニングに二台あるときはなるべく両方一緒に利用する。
○ 人がいない部屋の扉は閉めておく。
○ 除湿よりむしろ冷房を利用した方が無難、ということでした。
今回は山田さんが佐藤さんに鍵について説明をします。
「いろいろ見学させていただいているなかで、最近の住宅には電子鍵が目立ちますが頑丈そうで安心できますね」と佐藤さん。「そうですね、普通シンガポールでは鍵を替えないケースが多いので電子鍵ですと暗証番号の変更や複製がができないので安心はできますが、普通の鍵にはない問題があります」と山田さん。「どのような問題があるのでしょうか」「これは普通の鍵の場合でもホテル鍵(ドアが閉まると自動的に鍵がかかる)によく起こることですが、鍵の部屋の中に置いたまま閉め出されてしまうことです」と山田さん。「それは大変ですね、普通の鍵の場合でしたら鍵屋さんを呼んでなんとかできますが、電子鍵の場合はどうするのですか」と佐藤さん。「シンガポールでは鍵についての問題はロックスミスという会社が24時間営業してますので、深夜や早朝でもセキュリティの人に聞くと大抵その連絡先を教えてくれます。でも電子鍵の場合このロックスミスでも開けることはできず、大抵は壊して入るしか方法がないのが実情です」と山田さん。「それは大変ですね」「新しい電子鍵はそれほど壊れませんが、築5年位になってくると徐々にこの電子鍵がいろいろな理由で壊れてきます。一番多いのは中の電池を定期的に交換せずに液漏れを起こして壊れてしまう場合です」「なるほど、それで山田さんはあまり古い物件をご紹介されないのですね」と佐藤さん。「このように電子鍵が壊れたり、壊して中に入るようなことをすると、修理までの1-2日鍵がかからないことになる他、電子鍵の交換に800ドル位かかります」と山田さん。「その費用は誰が負担するのですか?」と佐藤さん。「鍵をなくしたり、暗証番号をセットしていなかったり、鍵を部屋に置いていたような場合には当然テナントの過失を取られますので、費用についてはテナントが全額負担となる他、自然に壊れた場合でも例の小修繕条項により150ドルから200ドルがテナントの負担となります」と山田さん。「結構な金額ですね、どうすればそのような問題を避けることができるのですか?」と佐藤さん。「最初から古そうな電子鍵は家主に交換を条件に借りるよう交渉するのですが、そのときに壊れていなければなかなか家主は交換に応じてくれません。そのため5年を超える物件で電子鍵のついている物件は将来壊れる可能性があることを予め覚悟して借りる必要があるのが実態です」と山田さん。
○通常の鍵は交換されないことの方が多い、もし交換が必要な場合には家主の了解を得れば大体100ドル位でシリンダーの交換はできる。
○ 電子鍵を鍵屋さんに開けてもらうことはほとんど不可能。
○ 電子鍵が壊れるとしばらく鍵をかけられない状態になることがある。
○ 電子鍵を壊して開けると交換に800-1000ドル位かかることがある。