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第68回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

○天井からの水漏れやエアコンの修理などについては小修繕条項の除外事項としてレターオブインテントに記載するようにする。​
○木の床や大理石を保護する為にカーペットを多用する。​
○​ ​カーペットを敷く場合には裏にすべり止めのゴムがついていないものを選ぶ、ということでした。

引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんにお話しを聞きます。

 

「そうすると基本的に何か修理が必要な場合、一定金額までテナントが負担しないといけないということですね」と佐藤さん。「そうです。家賃を支払っているのに、不条理な感じがしますが、15年位前にこの小修繕の条項が出始めて今では一般的な条項となってしまいました」と不動産業者の山田さん。「水漏れと言えば、私の家のエアコンからは頻繁に水漏れが起こるのですがこれはどうしてですか」と佐藤さん。「シンガポールではエアコンはしょっちゅう使います。また、基本的に建物や設備を見栄えを良くするため、後のメンテナンス上問題が残るような構造がかなり見受けられます。エアコンの水漏れの一因はそのような構造上の根本的な問題からくるものです」と山田さん「それはどういうことですか」と佐藤さん。「日本ではエアコンは部屋の上部に設置され、すぐ外のバルコニーなどに室外機が設置されています。また、この室外機とともに冷房の際の除湿を行う排水管もその横に設置されています。この除湿を行う配水管がまっすぐ下に降りて排水するようになっているためスムーズに排水が行われます。これに対してシンガポールではこの排水経路が長く、しかも天井裏で行われています。天井裏には梁などが出ている為、場所によっては逆勾配になっています」と山田さん。「なるほど、除湿の排水管が長く、しかも水がスムーズに流れないのですね」と佐藤さん。「そうです。そのため、ちょっと小さなゴミなどがパイプにつまると、冷房した際の排水がうまく流れずに室内の機械に逆流し、水がぼたぼた漏れるという現象を引き起こします」と山田さん。「そうならないようにするために、エアコンは専門業者による定期点検が必要になるのですね」と佐藤さん。「通常、3ヶ月に1回位が適当な頻度ですが、エアコンの点検業者の質によっても水漏れの頻度が異なります。これは、除湿した水を排水するドレーン管をどこまできれいにできるかの技術によります。また、機械が古い場合もこのドレーン管にゴミが溜まりやすく、水漏れの原因となります」と山田さん。「なるほど、そういった意味でもやはり新しめのコンドミニアムを選んだ方が無難ということになりますね。エアコンの配管をやり直すことはできるのですか」と佐藤さん。「これは大工事になりますし、コストも相当かかります。そのため、特にご入居がはじまってしまっているような場合には現実的な対応とは言えず、室内機と室外機の両方を交換してもらうということが現実的な対応といえると思います」と山田さん。「なるほど、シンガポールで生活するとなると、エアコンからの水漏れは必ず経験する問題と言えそうですね」と佐藤さん。「残念ながらそうですね、でも使い方を注意することによって多少緩和することはできます」と山田さん。

ポイント

○家賃を払っていても修理については一定限度まで入居者が負担しなくてはならない。
○ エアコンからの水漏れはデザイン、設置方法、メンテ技術者の技量等に原因がある。
○ ほとんどの人がエアコンからの水漏れを経験している。