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シンガポールの住宅・不動産事情

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第60回 佐藤さんの住宅探し

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

○シンガポールの家賃の上昇を制限する法律慣行はないため純粋に需給動向によって決まる。

○上昇の基本原因は外国人の流入が依然としてあり、不動産価格もあまり下がっていないことにある。

○現在のこのような動きは天井を打ったものとかんがえられる。今回はこの市場の動きを受けて変わってきた賃貸条件のポイントについて佐藤さんが不動産業者の山田さんに尋ねます。

 

「シンガポールでは市場の動きが早く数ヶ月前の賃料と現在の賃料は同じではなく、わずか2-3ヶ月の間でも上昇することがあります。ポイントはそのコンドミニアムに他にどれだけ貸しにでているかということでしょう。ただこれも出ている物件が次から次へと取られて行くに従って、賃料はやはり上昇していきますので、我々でも見極めは時として難しいことがあります」と不動山業者の山田さん。「賃料以外ではどのような条件がポイントになるのでしょうか」と佐藤さん。「家具とか住宅によって揃っているものが異なりますので、一般的な条項で申し上げると、エアコンのメンテナンスの問題と小修繕の扱い、それと仲介手数料の扱いでしょう」と山田さん。「私の場合はエアコンのメンテナンスは家主さんにお願いしておりますが、これをテナント側が行わなくてはならないということでしょうか」と佐藤さん。「そうです。借手市場の時は家主さんはテナントの要求を飲んでくれましたが、貸手市場の場合には家主さんに不利な条件はほとんど断ってきます」と山田さん。「小修繕の扱いというのはどういうことでしょう」と佐藤さん。「現在ほとんどの契約書に一カ所の修理箇所につき150ドルから200ドルくらいまでの修理費についてはテナント負担とし、家主は超過部分のみ支払うという内容が記載されています。この修理費用はテナントさんが何も間違った利用方法をしていなかったとしてもこの費用負担が発生します。もしテナントさんに過失がある場合には当然全額負担となります。この金額がかつては100ドルが多かったのですが、最近では150ドルから200ドルというケースが増えてきています。これは景気動向を反映して修理業者もその修理手数料を値上げしてきていることなどが理由として考えられます」。と山田さん。「仲介手数料とはどういうことでしょう。普通家主さんが仲介手数料を支払うのではないのですか」と佐藤さん。「そのとおりです。最近のように家賃が高騰してくるとなかなか安めの物件を見つけることが難しくなり、家主側不動産業者がテナント側に不動産業者がついているような場合に、仲介手数料を分けたくないためにテナント側不動産業者にテナントから仲介手数料を取るように要求されることがあります。これは家賃が4000ドル未満のケースによく見られます。また1年以下の契約の場合もテナントが仲介手数料を負担しなくてはならないこともあります」と山田さん。

ポイント

○現在の市場は貸手市場気味。
○エアコンメンテナンスがテナントの責務とされるケースが最近目立ってきている。
○小修繕費用は基本的にテナント負担
安めの賃料の物件、1年以下の契約のケースではテナントが仲介手数料を支払わなくてはならない。