シンガポールの住宅・不動産事情
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プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第59回 佐藤さんの住宅探し
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○サービスアパートはホテルの稼働状況とルームレートの影響を受ける。
○最近は長期よりも短期のケースを優先するサービスアパートが増えてきている。
○サービスアパート1ベッドルームの月額賃料は最低6000ドル前後、最も高いもので月額9000ドルになっている。
○サービスアパートの賃料は依然として高額だがやや天井感が出始めている。
○サービスアパートの賃料はコンドミニアム賃料とホテルのルームレートの影響を受けるということでした。今回は最近のコンドミニアム賃貸市場について佐藤さんが不動産業者の山田さんに聞きます。
「最近私の同僚でも家主から値上げを言われて、予算を大幅に超えるため別なところにいかなくはいけない人が増えていますが、どうなんでしょう」と佐藤さん。「そうですね、日本の場合には借地借家法の制約があるため、あまり無茶な値上げはできませんが、シンガポールの場合は単純に需給バランスによって決められます。そのため、過去に事務所賃料やサービスアパートの賃料が50%、場合によっては100%なんていうケースもありました」と山田さん。「それはすごいですね。最近の動きはどうなんでしょう」と佐藤さん。「最近は供給戸数も増えてきていることから新しめの物件と古い物件の上昇率にかなり差がでてきているようで、新しい物件は2年前と比べて上昇、古い物件は同じか値下がり、といったような状況です」と山田さん。「ずいぶん供給戸数が増えているようですが、まだ賃料は値上がりをしているのでしょうか」と佐藤さん。「確かにこれまでと比べると中心部のハイエンドの物件が次ぎ次に竣工しておりますが、現在結構戸数が売れ残り、また賃料が高すぎて賃貸も決まっていません。一方で手頃で新しめの4000-6000ドル位の中心部の物件は結構早く決まってしまいます。これは一般外資系企業駐在員の数が依然として増加傾向にあるため手頃な物件がすぐに決まってしまい、1万ドルを超えるような高額物件の供給が過剰であると言えます」と山田さん。「なるほど、話によると不動産の価格もずいぶんと上がってきていると聞きますが、これも賃料の上昇に関係があるのでしょうか」と佐藤さん。「大体、オーチャド界隈の不動産価格と賃料は投資利回りでみると95-96年以降大体3-4%位で推移してきています。現在もこの率は大体同じような感じですので、不動産を購入した人たちはこの利回りに基づいて賃料を決めて来ますので、価格が上がれば当然賃料も上がってくるということになります」と山田さん。
○シンガポールの家賃の上昇を制限する法律慣行はないため純粋に需給動向によって決まる
○上昇の基本原因は外国人の流入が依然としてあり、不動産価格もあまり下がっていないことにある
○現在のこのような動きは天井を打ったものとかんがえられる