シンガポールの住宅・不動産事情
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プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第52回 佐藤さんの住宅探し(物件返却時の注意点)
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○住宅の日常の手入れをこまめに行うことで将来のトラブルを未然に防ぐ。
○ソファーが布の場合は適宜ドライクリーニングに出す。但し、この場合あまり布地がきつい場合にはクリーニング後に縮んでしまわないように気をつける。
○ソファーが革の場合は専用の革クリームで清掃を行う。
○退去前にはカーテンのドライクリーニングを出しておいた方が無難。
お客さんである佐藤さんが不動産業者の山田さんに引き続き注意点を聞きます。。
「たぶんほとんどの人がそうですが、私もあまり引っ越しはしたくないので、こちらに駐在している間は同じ家に住むことになるのですが、その意味では家主さんに家を返す経験がありませんので、実際の返却当日どのようなことをするのか教えてもらえないでしょうか」と佐藤さん。「これまでご説明致しましたように掃除は絶対にやらないといけません。もし掃除をしなかった場合には、確実に清掃費用は敷金から差し引かれますし、その額についてまた交渉する必要がでてきます。また、清掃が不十分な場合には追加で清掃費用の請求を受けることがあります」と山田さん。「そうですね、そのことを考えるとちょっとお金がかかってもプロの人にやってもらっておいた方が良いかもしれませんね」と佐藤さん。「その清掃の段取りの他にやっておかなければならないことは、電話、電気、ガス、水道、ケーブルテレビの解約があります」と山田さん。「解約ですか、ちょっと面倒そうですね。ここに入居するときは山田さんにやってもらいましたが、解約はお願いできないのでしょうか」と佐藤さん。「以前弊社でお受けした際に、解約をめぐってテレコムとSPサービスの窓口でトラブルが何度かあり、解約予定日が違っていたり、解約したはずなのに解約されていなかったりしたことなどがあり、このトラブルを避けるために、今は申し訳ないのですが、お客様にお願いしております」と山田さん。「なるほど、了解しました。解約日は家主さんに家を返す日でいいんですよね」と佐藤さん。「電話はその前でもかまいませんが、電気、ガス、水道については、家を返す日の翌日が良いでしょう。といいますのは、家主さんが現場に来て照明や電気製品がちゃんと動くかどうかの確認をしないといけないからです」と山田さん。「なるほど、もし前にきってしまうとどうなるのですか」と佐藤さん。「家を返すときに電気製品などの確認ができないと、家主さんが再度あける手続きを行った後でないと最終的な確認ができないため、敷金の返却が大幅に遅れたり、電化製品がスムーズに動かないなどと言われて、敷金から引かれる額が多くなることがあります」と山田さん。「なるほど、後から壊れてると言われても、もうその時には転勤してしまっていますから、確認できないですよね」と佐藤さん。(次回に続く)
○電話、電気、ガス、水道、ケーブルテレビの解約は原則ご自身で行うようにする-最近はインターネットでも解約手続きができる。
○電話の解約は家の返却前に行っても構わないが、電気、ガス、水道の解約は家を返す日の翌日に切れるようにする。