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第50回 佐藤さんの住宅探し(物件返却時の注意点)

不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。

前回のポイントは、

○自分で清掃する時には特にキッチンまわり、調理台、換気扇、流し、冷蔵庫の中まできれいにする。

○清掃はユーティリティエリアも必要になるので忘れず清掃する。

今回は佐藤さんが不動産業者の山田さんに退去の時の注意点を聞きます。

「住宅の引渡は家主さんがどのようなことを言ってくるか、またどのくらいのクレームをつけてくるか、始めてみないとわからないことがあります。その場合、あまりタイトなスケジュールで帰国予定を組むと敷金の差引きを巡る問題が解決できずに、結局家主さんの言うがままの金額を差し引かれることなってしまいます」と山田さん。「そうですね。でも清掃以外にどんなことが問題になるのでしょうか」と佐藤さん。「特に多いのが床のキズや大理石の染み、キッチン回りに関することです」と山田さん。「でも使っていれば多少のキズはついてしまいますよね」と佐藤さん。「多少のキズは大丈夫だと思いますが、特にご入居の時に新築未入居の物件をお借りになられた時は、まるっきりキズがない物件ですから、十分注意して使わないと退去の時にモメることになります」と山田さん。「でもいくら注意しても3年も4年もすんで出れば、キズも多くなってしまいますよね」と佐藤さん。「そうですね、そのために、最初の2年の更新が終わった時に、お住まいについて修理する必要はないけれども、気になるような問題点があればそれを列記して家主さんに確認してもらっておいた方が無難です」と山田さん。「なるほど、契約は2年ですから、その時に状態を確認しておいてもらったほうが、双方にとっても安心できますよね」と佐藤さん。「もし住宅が新築の場合、シンガポールでは竣工後、最初の1年はつくったデベロッパーが補修をタダでしてくれますので、そのタイミングで家主さんに住宅の状況を連絡しておくのも有効です。ただ、この連絡と結果はなるべく記録にとっておいた方が後々のトラブルを避けるために有効です」と山田さん。「山田さんが以前おっしゃていたように、またここでも記録をとることが必要になるのですね」と佐藤さん。「そうです。最近のように景気が良くなって不動産の売買が活発になると、家主さんはすぐに売却を考えます。新しい家主さんに対して前の家主さんは過去にどのようなことがあったかは説明は一切しません。そのため、テナントさんが自分の身を守るためにも過去の前の家主さんとの記録をしっかりもっていないと、新しい家主さんに住宅を返すときにモメるもとになりますので、注意が必要です」と山田さん。(続く)。

ポイント

○住宅を返すときにモメることが多い場所は床、キッチン回り、大理石、壁など、またソファなど家具の使用状況も問題になることがある。
○契約を更新する時にこまめに報告、記録をとっておき、家主の了解確認をとりつけておく。
○新築は特に大事に住宅を使う。

○新築はその建物ができたときから(入居したときではない)1年はデベロッパーが無償で修理をしてくれるので、状況を家主に連絡することが必要。
○これらの報告打ち合わせは書面で記録に取っておく。