シンガポールの住宅・不動産事情
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住宅探し
第47回 佐藤さんの住宅探し(家主さんの見分け方2)
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○家主さんが物件見学に立ち会ってもらえるケースの時に家主さんの感じをみる。
○家主さんの居住している物件の時にはユニットの状態が良好であるケースが多い。
○家主側の不動産業者がどのくらい家主のことを知っているかも物件選びのポイント。
○オファーを出してみてほとんどの条件を拒否するような家主さんの物件にはこだわらず、第二候補物件ですぐ交渉を始めた方が得策。
ということでした。
引き続き佐藤さんが不動産業者の山田さんに良い家主さんの見分け方を聞きます。「最初の交渉がうまく行かなかった場合に第二候補物件ですぐ交渉を始めたほうが得策とのことですが、いっぺんに両方の物件に申し込みを入れて先方の出方を見て良いほうを取るということはできるんでしょうか」と佐藤さん。「良くそういった御質問を受けることがありますが、もし両方の家主さんがたまたま全部の条件を受け入れてくれると、結構ややこしいことになりますので、やはり一つずつ潰していったほうが無難でしょう」と山田さん。「なるほど、この交渉をする前に家主さんについて他に気をつけないといけないことにはどのようなことがあるのでしょうか」と佐藤さん。「そうですね、これは家主さんというよりは家主さんについている不動産業者についてですが、当地では不動産仲介会社はライセンスが必要で、一昨年の12月の法改正により営業担当にまでライセンスの取得を義務づけることになりました。ただ、これまで営業をしてきた人には今年の6月までは試験に合格して資格をとらなくても営業ができるようになっています」と山田さん。「どういうことでしょう」と佐藤さん。「そのためプロフェッショナリズムに欠ける人がまだマーケットで仕事をしています。また、家主さんの情報は借主及び借主側の業者にはその情報をほとんど教えてくれないのが通例です。そのため、契約締結に向けての交渉や、入居後のフォローなど借主側からの要求がちゃんと家主側に伝わらないことがよく起こります」と山田さん。「なるほど、家主さんだけでなく家主さん側の不動産業者さんにまで注意しないといけないということになると結構大変ですね」と佐藤さん。「そうですね、これは他のビジネスでもそうですが、関係者の数が多くなればなるほど、状況は複雑になり伝言ゲームのようにコミュニケーションエラーが起こりやすくなります」と山田さん。「家主側に不動産業者さんがいる場合に、どのようにしたら良い不動産業者さんかどうかを見分けることができるのでしょうか」と佐藤さん。「それはかなりむずかしい問題です。正直なところ家主さんの数と同じくらい家主さん側の不動産業者さんもいます。中にはちゃんとした人も結構いますが、これも交渉をはじめてみないとなかなかわからない問題です。ただ、10年以上にわたって、しかも片手間でなく専業で不動産仲介業を同じ会社でやっている人は信頼できると言えます」と山田さん。
○同時に二つの物件にオファーを入れることは得策ではない。
○まだ不動産仲介業者の中にはプロ意識のかける人が結構いる。
○家主さん側に不動産仲介業者がいる場合には彼らの質についても注意を払う必要がある。
○契約交渉にあったって理由なく回答が遅れる場合には何か家主側に問題がある。