シンガポールの住宅・不動産事情
PRO
プロが教えるシンガポールの
住宅探し
第46回 佐藤さんの住宅探し(家主さんの見分け方)
不動産仲介業者の山田さんと一緒にコンドミニアムを見学している佐藤さん。
前回のポイントは、
○物件選定は立地、間取りだけではなく家主さんがどんな人であるかに注意しなくてはならない。
○リスクが少ないのは法人家主。
○個人家主の場合はまずユニットの状態が良好なものを選ぶ。
ということでした。
引き続き山田さんが不動産業者の佐藤さんに良い家主さんの見分け方のポイントを聞きます。「物件の状態が良いものは、家主さんの対応が良さそうであるということはわかりましたが、他にはどのようなところに注意すればよいでしょうか」と佐藤さん。「物件を見に行ったときに、家主さんに会えるかどうかも一つのポイントです」と山田さん。「でも、私が見て回ったときにはほとんど家主さんの不動産業者さんしかきていなかったように記憶していますが」と佐藤さん。「一般的にはほとんどのケースで家主さんは見学に立ち会いません。でも時々家主さんが住んでいる物件や、まれですが見学にいつも立ち会う家主さんもいます。この時に家主さんがフレンドリーに対応してくれるケースが望ましい家主さんと言えます。あまり話さない家主さんでも、すくなくともどんな感じの人かがわかるだけでも、後の交渉や入居後の対応に役立ちます。ですので、間取りや家具が納得の行くものでなくとも、感じの良い家主さんの物件をお選びになられた方が良いでしょう。なにしろ、一旦契約したら転勤がない限り基本的には中途解約はできません。そのために良好な関係が築けそうな家主さんの物件を選ぶことは、ある意味では間取り、立地、家具よりはよほど大事なことであると言えます」と山田さん。「でもおっしゃられたように、ほとんどが家主さんの不動産業者さんしかいないのでは、判断が難しくはないでしょうか」と佐藤さん。「まず、その場合はそこにいる家主の不動産業者さんにどのような家主さんかをなるべく聞いてみることです。例えばシンガポール人か外国人か、他に賃貸用物件を持っているかどうか、などです。もしその不動産業者さんがあまり家主さんのことを知らなければ、家主さんとの関係は弱く将来の交渉や対応にも影響が出ることが考えられます」と山田さん。「もし全然その不動産業者さんが知らなければどうすれば良いのでしょう」と佐藤さん。「結構そういうケースが実際にはあります。その場合にはオファーを実際に出してみて、相手の出方を見ることになります」と山田さん。「どういうことでしょう」と佐藤さん。「要求する内容にもよりますが、こちらがお願いしたことをことごとく拒否してきた場合には、私はあまりその物件をお勧めしません。といいますのも、柔軟性に乏しくテナントさんのことを基本的には全然考えていない家主さんと思われるからです。もしテナントさんがどうしてもその物件が良いということになると、はっきり言って足下をみられますし、ご入居後の対応は非常に悪いだろうと想定されますので、家主さんの協力や費用負担を望むことはできないという前提でお選びになるしかありません。ですので、そのような回答が家主さんから来た場合には、潔くあきらめ第二候補の物件でオファーを出されることをお勧めします」と山田さん。
○家主さんが物件見学に立ち会ってもらえるケースの時に家主さんの感じをみる。
○家主さんの居住している物件の時にはユニットの状態が良好であるケースが多い。
○家主側の不動産業者がどのくらい家主のことを知っているかも物件選びのポイント。
○オファーを出してみてほとんどの条件を拒否するような家主さんの物件にはこだわらず、第二候補物件ですぐ交渉を始めた方が得策。